Such A Funky Thang! / 久保田利伸 * 1988 Sony

80年代、ライオネル・リッチーが“Hello”や“Say You, Say Me"を歌い出した頃。チャートもんしかブラック・ミュージックを知らんかったので、あまりワクワクすることが無くなり、兄貴が買ってきたフレディ・ジャクソン等にも無反応。その後、グッと現行モンがエキサイティングなもんに感じたのは思えばやっぱニュー・ジャック・スウィング(NJS)以降。何せアリオリのいたテンプスまでやってましたから。それまでのブラコンにヒップ・ホップ、ファンクのビートが融合した素晴らしきNJSは90年代前半まで溢れかえり、再びブラック・ミュージックをクールな音・R&Bとしてメイン・ストリームへと持ち上げました。日本でも90年代、R&Bタイプの音が大流行でしたが、源流はやっぱクボタ。ホンマもんっぽかったのは最初はコノ人と岡村ちゃんくらいでした。
そんな事でクボタの3rd。初期作を再構築したグレイトなベスト“The Baddest”を聴いて衝撃を受け、あわてて後聴きしたアルバムです。全曲L.A.録音ってのも、音も厚みを増していて奏功。1発目の「Dance If You Want It」でいきなりガッツ・ポーズのナイス・グルーヴ登場。曲もさることながら、テディ・ライリー系のボトムが効きまくったビートが今聴いても天晴れ。良い意味でミーハーなクボタが、当時の新しい音を取り入れて見事、自分のモノにしてます。そしてクボタ流NJSの傑作と言いたい隠れた名曲が「Drunkard Terry」。グルーヴしまくるバック・サウンドに、クボタのエキサイティングな歌唱が冴えまくり。とにかくカッコよすぎる曲です。他も、ポップながらしっかりハネてる「Merry Merry Miracle」、ファンク魂を感じる「Such A Funky Thang!」と要所に聴きどころあり。メロウもマーヴィンの“Sexual Healing”に影響されたような「Gone Gone Gone」や、歌謡曲っぽくも美メロな「覚えていた夢」がなかなか。スロウでは絶品なのが「Love Reborn」。Levertが演ってもおかしくない濃い味わい。これもシビれます。今も人気の「Indigo Waltz」もここで登場。黒っぽいモノを演ったろうっの域ではない、本格的な作品に今聴いても脱帽です。
「90年代に皆がしてたような事を、既に涼しい顔して演ってたクボタ。やっぱ、あんた凄い!」
Dance If You Want It
hiroo
よろしおま