Funny Company / Funny Company * 1973 Atlantic

“あぁ、ほんまに逝ってもうたんや”、桑名のマサ兄ぃが御堂筋を駆け抜け天国へ。地元、関西だけでなくロック界の兄貴分として圧倒的な存在感を誇っていた桑名正博。夏に倒れられて3ヶ月、周囲の応援に支えられひょっとしたら・・と思ってましたが力尽きジョー山中やジョニー吉長、安岡力也らの仲間のところへ。以前ライヴに出していただいた時、楽屋で「桑名さんの、スウィートホーム大阪。なかなか無いんで探して買ったんですよぉ」とお声掛けすると、「ほんまぁ、売ってへんのんかぁ」、「まぁ自分らも、蕎麦食べや」と気さくに会話させていただいたのが20数年前。緊張感をほぐしてくれた気さくな優しさは忘れません。ここ最近の寂しいニュースが多い中、またもや追悼の記事となったのは遺憾ですが、ここは昔レコードで買ったデビュー作で桑名さんを偲びます。
73年のデビュー作。泥臭いサウンドとちょっとユーモアも含んだ、日本のフェイセズといっていいくらい当時としては粋なサウンドです。“夜の海”や“月のあかり”といったスロウもシビれますが、真骨頂であるR&Rはやはり絶品。豪快な「魔法の気体」から、間髪いれずにファンキーなロック「退屈はあぶくになって」と流れるオープニングが実にカッコいい流れ。他にも「僕もそのうち」や「無意味な世界」なんかの荒々しいロックンロールや、スワンプ・ロックの香りプンプンの「午後一時ちょっとすぎ」に「冷たい女に捧げる」と熱い桑名節がすでにガンガン聴けます。ボートラで収められた、裕也さん主催のロックンロール・カーニバルからのライヴ録音「彼女は待っている~ロックンロール・メドレー」は圧巻で、日本人離れした桑名さんの歌が冴えまくり。そして関西弁ロックの金字塔「スウィートホーム大阪」。ドライヴするギターに、最高のソウルフルなヴォーカルで迫るブギーR&Rは絶品。関西ルーツの人でないとこなせない“おっさん、ここが通天閣だっせ、まあ一杯やりまひょや”といったフレーズは何度聴いてもシビれます。もんたよしのり氏のライヴに飛び入りしオーラスでコノ曲を歌って大盛上がりだったチキンジョージの夜を思い出します。そして“大阪もこれが見収めや、わいはもう帰りまへん”という歌詞が本当に旅立った今、染みてきます。
「バラードもロックンロールも見事に自分色に染めて歌いあげたカッコええ兄貴。熱い歌をありがとう。」
スウィ-ト・ホ-ム大阪
loving you~ol'55
goldenblue
No title