Dreamer / Patti LaBelle & The Bluebelles * 1967 Atlantic

タワレコなんか行くと、あんまり安いのでついつい目的外のものも買っちゃうアトランティック・リイシュー。パティ・ラベル乙女時代のブルーベルズも購入です! 名前もラベルと変え、ニューオリンズ・ファンクにも接近した70年代が何といっても有名ですが、初々しく正統派R&Bを演ってた頃もなかなか魅力的。少々ポピュラー寄りではありますが、ゴスペル直系のダイナミックな歌唱はすでに確立。本作の後、スプリームスへと移籍したシンディ・バードソングもいた4人組として最後のアルバムが67年のコレ。サラ・ダッシュ、ノナ・ヘンドリックスと共に美しいコーラスも聴かせてくれます。
さて本作。A面前半がスタジオ録音、B面後半がフィラデルフィア・アップ・タウンでのライヴ録音ってな構成。前半で目を惹くのがタイトル曲「Dreamer」。この曲のみ、バック・ミュージシャンはマスル・ショールズの面々で、曲自体も南部の重鎮ダン・ペンとスプーナー・オールダムの黄金コンビの作品。ライバルのアレサ・フランクリンも、この時期マスル・ショールズの面々とN.Y.録音し劇的な変貌を遂げてますが、パティ・ラベルにもこういう動きがあったとは興味深いところ。とにかくスタジオ録音の方は曲の良さもあり、どれも粒揃い。コンピで聴いてお気に入りだったカーティス・メイフィールド作の「I'm Still Waiting」はインプレッションズ風の素晴らしいスロウです。バカラックの「Always Something There To Remind Me」も聴きモノで、パティのソウルフルな歌唱が爆裂です。スロウ中心のカヴァーも極上でエヴィ・サンズ嬢の「Take Me For A Little While」に、ドリフターズの「I Dont Want To Go On Without You」とかなり満足度高い仕上がり。一方、ライヴの方はカメオ-パークウェイ時代のヒット曲「Down The Asle」がハイライト。ドゥーワップ的な香りも残すアーリー・ソウルのバラードですが、黒っぽさではダイナ・ワシントンの代表作「Thats How Heartaches Are Made」が上。4人のなんともいきいきしたヴォーカル・ワークが堪能できます。「Danny Boy」、「One Phone Call」、「Where Are You」とスタンダードっぽいスロウ中心ですが、上手さは際立ってます。大人向けやったのかもしれませんが、モータウンやらスタックス勢の台頭の時、このアプローチはちょっと古かったかも。
「やはり層の厚かったアトランティック黄金時代。後の大御所もジャンジャン登場です!」
I'm Still Waiting
goldenblue
No title