The Sweet Inspirations / The Sweet Inspirations * 1967 Atlantic

購買意欲をおおいにそそる怒涛のリイシューが押し寄せるソウルフルな秋。ど根性ガエルの町田先生ばりに“ソ~ウル生活25年、こんな良心的なリイシューは見たことないっ”(←古い)と涙で叫びたい気持ちです。ブルーノートやプレスティッジなんかの十八番だった1,000円ポッキリで100枚もアトランティック・ソウルが再発。パッケージなのに配信より安い価格ってのがポイントで、完全限定生産って6文字にすっかり踊らされてます。とにかく気の利いたラインナップで、ワーナーの英断には拍手です。オーティスやサム&デイヴなんかの長年カタログ化されてきたド定番から、同じ位のクオリティがありながら日本でCD化されてなかったブツも多数登場です。その代表格がアレサとの活動でお馴染みのスウィート・インスピレーションズ。これで、ずっと放りこんでいたi-tunesウィッシュ・リストからも解放です!
さてこのニュージャージー出身の4人組。今さらながらですがホイットニー・ヒューストンの母シシー・ヒューストンと、ローラ・リーばりのディープ・ヴォイスで迫るエステル・ブラウンの2枚看板で、強烈なゴスペル臭が漂う中でコーラス・ワークもしっかり聴かせます。60sアトランティックの数多の名作でバック・コーラスで参加し、アレサのナチュラル・ウーマンなんか彼女達の大貢献があってこその名録音です。67年に出たデビュー作はステイプル・シンガーズに負けずとも劣らない内容で、どっから聴いてもどす黒いサザン・ソウル・ファン必携の傑作。重厚なスロウ「Oh! What A Fool I've Been」から、迫力あるコーラスもたまらん「Blues Stay Away From Me」と冒頭から素晴らしい展開。蜜月だったアレサの曲「Don't Let Me Lose This Dream」や名作「Do Right Woman - Do Right Man」もディープな感触で最高です。なかでも本作の顔ともいえる「Sweet Inspiration」はキャッチーな名曲。カヴァーが多く、スタンダード「Let It Be Me」、ディオンヌ・ワーウィック「Reach Out For Me」なんかはゴスペル色濃く塗り替えてます。他も埋め合わせっぽくエディ・フロイドやウィルソン・ピケット、アイケッツなんかのヒット曲も演ってますが、何れも高品質。ステイプルズの「Why」なんかハマりすぎです。オリジナルとなるスロウ「Here I Am」も鬼気迫る絶唱が光る逸品で大満足です。
「モータウンとは対極にあるような泥臭さが魅力の濃厚なゴスペル・テイスト。たまりまへ~ん!」
Do Right Woman - Do Right Man
goldenblue
No title