真空パック / Sheena & The Rokkets * 1979 Alfa

夏の終わりの寂寥感、癒してくれるのは女性の歌声です。鮎川誠が関わっていたYMOの流れで聴いたシーナ&ロケッツ。コノ頃はかなり洗練された印象で、後のイメージとは少し違った趣きでしたが長身でレスポールを弾く鮎川氏と、セクシーなルックスで魅了したシーナが絶妙のバランスです。この細野晴臣プロデュースの2ndアルバムは79年当時のティーンのハート鷲づかみとなったクールな1枚。泥臭いロックの70年代とは隔世の感もあった新鮮なアプローチはやっぱりYMOとのコラボレーションの賜物。まだサンハウス路線だった“レモン・ティー”の1stなど存在すら知りませんでしたから、これがデビュー作やとずっと思ってました。路線変更してテクノ・サウンドを取り入れた新機軸とシーナ嬢のコケティッシュな声は相性も抜群で、めんたいロック一派ながら全然別モンみたいな感覚で聴けて差別化もバッチリ。当時“コール・ミー”でブレイクしてたブロンディの日本版みたいな感じもあって結構なブレイクでした。
中身は何といっても大出世作となったヒット曲「You May Dream」!“あなた~の事想うとすごく胸が熱くなるのぉ”と舌たらずの声で歌われると、もうメロメロ。ロネッツの“Be My Baby”をコレ以上無いって形でアップデイトさせた大傑作で、まさにエヴァー・グリーンな曲。“♪いつもは憂うつな雨もサンバのリズムに聴こえる♪”っていうフレーズも最高っす。途中のシーナの可愛いトーキングからキャッチーなサビと完璧な構成で今聴いても胸キュンものです。コステロっぽい「センチメンタル・フール」や、YMOチックな「Lazy Crazy Blues」もイカしてますが、やっぱエエのがシーナのブリっ子Voが冴える「Moonlight Dance」みたいな曲。カーズにも負けない音作りがカッコいいですが、まずシーナ嬢に萌えます。シーナが荒っぽく迫るジェイムス・ブラウン「I Got You, I Feel Good」や、キンクス「You Really Got Me」などカヴァーもスタイリッシュに決めてます。また高橋ユキヒロのセルフ・カヴァーでもお馴染み「Radio Junk」は鮎川誠が唄うバックで坂本龍一のkeyにユキヒロ氏がビートを刻みます。そして唯一めんたいロックっぽさを打ち出した「オマエガホシイ」は荒々しい演奏が良いアクセントとなってます。
「ポップな感覚のロックン・ロールも魅力のシナロケ! ずっと現役でお願いします~」
You May Dream
めれんげkonomi
No title