Soul Men / Sam & Dave * 1967 Stax

今年グラミーも獲得したメンフィス・ホーンズの中心人物アンドリュー・ラブが亡くなられたとのこと。南部ソウルが全盛の頃、主要曲に必ずクレジットされていたメンフィス・ホーンズ。アンドリュー氏が誰か分からずとも、ソウル・ファンなら100%コノ人のホーンを聴いているって人です。スタックスやハイのレコーディングに無くてはならない人で、アル・グリーンの激傑作「Let's Stay Together」の印象的なホーン・セクションもこの人等です。オーティスのバックで、バラードでもシンプルかつ泣きを助長するホーン・アレンジも絶品でした。そしてジャンプ・ナンバーでの躍動感溢れる歌の合いの手ホーン。コレが無いと成立せんっフレーズを絶妙のタイミングでパッパラ~パ~♪と鳴らしてくれてました。スタックスの音など、MG'sのシンプルなバンドアレンジに絶妙なホーンがあってこそ、あの熱く黒い歌声が光り輝いたと言って過言ではありません。
そんなメンフィス・ホーンズの代表作品といえばコレ「Soul Man」。サム&デイヴの革新的傑作ですが、スタックス・ソウルの素晴らしさを1曲で全て表してくれてます。I'm a soul Man♪と歌った後にコレしかないってタイミング入るパラパッパパラッパパ~♪って鳴り響くホーン・セクション。これやがなっ!と全世界のリスナーが膝を叩いたに違いない最高のフレーズです。またドナルド・ダック・ダン(b)とアル・ジャクソン(ds)の醸し出すグルーヴも絶品で、スティーヴ・クロッパー(g)の軽快なカッティングを盛りたてます。もちろんサム&デイヴの凄まじき迫力ある歌唱も特筆モノ。特にデイヴ・プレスターの魅力あるバリトン・ヴォイスは何度聴いてもシビれます。とにかく、作者のアイザック・ヘイズ&デヴィッド・ポーターはじめ最高の役者が揃い踏みした素晴らしきメンフィスの奇跡とでも言いたい名曲です。そして本作の双璧とも言える必殺ナンバーが「Broke Down Piece Of Man」。コチラも愛すべきデイヴの熱くブッとい声が黒光りする大傑作で、歌うようなラインを弾くダックダンのベースもエクセレント。スロウは何れも高品質で「Let It Be Me」、「Just Keep Holding On」、「I've Seen What Loneliness Can Do」と甲乙付け難い出来。ホーンもロング・トーン中心に歌をしっかり盛り上げてます。他も秀作揃いで、ブルージーな「I'm With You」、ソリッドなリズムも気持ちエエ「Don't Knock It」なんてのも聴きどころ。
「重要曲でナイスなサックスを鳴らし続けたアンドリュー・ラブ。ええ音楽をおおきに!」
Soul Man
Broke Down Piece of Man
リュウ