Fight Or Flight / The Mods * 1981 Epic

バンドにとって定番的名曲って、だいたい1stか2ndアルバムに集約されてるってのはよく言いますが、The Modsの1stはファンにとって避けて通れないアルバム。まさに原点とも言えるアルバムで、2006年に“Washed”と題されて本作丸々リプレイされたアルバムまで出ています。(←コチラもグレイト!) めんたいビートとか言われて世間からも注目が集まった初期Modsでしたが、見事ファンの期待に見事応えていたのが本作や次に出た“News Beat”。ロッカーズやルースターズも同じようにクオリティの高いアルバムを出してましたが、それぞれ変化したり失速したりで、また違った方向に進みました。しかし、この森山達也率いるThe Moda。驚くべきは、30年経った現在でも初志貫徹で走り抜いてます。今もファンを興奮させてくれる尊敬すべき存在。老舗ブランドがどんな商品出しても支持されるのと同じで、基軸がふらつく事が一切ないのでファンも離れません。
さてこの名盤。今もステージで演奏される定番が多く収録で、その中でも光り輝くのがB面頭に収められてた史上に残る傑作「Two Punks」。ボブ・マーリーやクラッシュの影響を見事に消化して自らのアイデンティティでしっかり表現したこの曲を最初、ニューイヤーロックフェスの中継で見た時、マジ稲妻直撃でした。ドラマチックな歌詞に、森ヤンの表現力抜群の歌唱。今も観客大合唱の定番ですが、何度聴いても色褪せません。一生、演り続けてほしい不朽の名作で、藤井フミヤも後にカヴァーしてました。そして同じく素晴らしいのがアルバム前半の流れ。「不良少年の詩」はオープニングに相応しいスリル満点の演奏が魅力のアップ・ナンバー。シド・ビシャスにインスパイアされた曲という苣木氏のゴリゴリ迫るギター・プレイも絶品。続く「Watch Your Step」は尖がった歌詞からハート鷲づかみでコチラもMods初期を体現する名曲。また「崩れ落ちる前に」はポリスの初期にも通じるデビュー・シングル。哀愁溢れる森ヤンのメロディも絶品で、後に開花するメロウな一面もしっかり見せてくれてます。この無敵とも言える冒頭3曲も本作のハイライトです。他も無視できないエエ曲が随所に収録ですが、疾走感抜群の「が・ま・ん・す・る・ん・だ」や、「No Reaction」、「One More Try」、に加え、自分も少年の頃バンドで演った思い出深き「Tomorrow Never Comes」あたり必須と言っていい出色の出来。
「最初からカッコ良すぎる、頼れる兄貴森ヤン。一生、演り続けてください!」
Two Punks
崩れ落ちる前に
哀愁の春日野道
No title