The Singles Volume Six 1969-1970 / James Brown * 2008 Hip-O

James Brown
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 J.B.信者を狂喜させたシングル集の第6弾。殆ど神様状態でファンク道も極めつつあった'60年台終盤の音源ですのでハズレ無しです。2枚刃のカミソリが3枚刃になったような切れ味の進化が体感でき、脂のりまくりの御大が縦横無尽に暴れます。サウンドもJ.B.サウンドを支えた主要人物が出揃っていて、名前を見ているだけ興奮してきます。スウィート・チャールズ&クライド・スタブルフィールドのリズム隊に、単音の切れも抜群なジミー・ノーランのギター・カッティング。それに加え、ホーンはセント・クレア・ピンクニー、ピーウィー・エリス、フレッド・ウェズレー、メイシオ・パーカーと黄金の布陣。こっちの総理大臣は組閣のメンバーも、決して任命責任を問われない完璧さです。
 さてコノ時期、代表する曲といえば「Mother Popcorn」に「I Don't Want Nobody To Give Me Nothing」(←震える程のカッコええリズム&ホーン)、「Brother Rapp」、「It's A New Day」といった神風吹きまくりの傑作ファンクの嵐。ファンクの真髄を伝える曲では、これらの超メジャー級に加え「Let A Man Come In And Do The Popcorn」、“Mother Popcorn”のプロトタイプ「You Got To Have A Mother For Me」といった曲まで登場。マジで失禁の連続です。もうこの辺の録音は曲中ここぞという場面で“メイシオッ!”と呼ばれまくりで、伝統的なコンビ芸もたっぷり楽しめます。またエヴァリー・ブラザーズのスタンダードで、カーラ・トーマスにサム&デイヴ、インプレッションズ、デルフォニックスから竹内まりやまで数多くの優秀カヴァーが存在の「Let It Be Me」はVicki Andersonを迎え、数あるカヴァーでも最優秀ファンキー賞を受賞(←ウソです)。流石です。70年代の優秀アルバム“There It Is”で完成した超絶ファンク「Talkin' Loud And Sayin Nothin' 」のプロトタイプも登場。この時期の重要アレンジャー、デヴィッド・マシューズが絡んだロッキンなアレンジでホーンも入ってませんが、ボビー・バードと息ぴったりの御大がカッコよすぎで必聴テイク。合間には60s調でのオールド・スタイルの曲もありますが、チャック・ジャクソンの「Any Day Now」やJ.B.クラシックのリアレンジ版「Bewildered」なんかもデヴィッド・マシューズがクールに仕上げてます。「World」や「Sometime」、「I'm Not Demanding」といったハードボイルド系も絶好調です。スロウでの絶品歌唱も御大の持ち味ですが「A Man Has To Go Back To The Crossroads」は黙って聴くしかない名曲。何やっても一味ちゃいまんな。
 一方、同時並行で精力的に取り組んでいたインスト物も秀作バンバンで、Blue Noteでグラント・グリーンもクールなカヴァーを残した「Ain't It Funky Now」はじめ、「The Popcorn」、「The Chicken」と避けてはいけない名作が登場です。セックス・マシーンでの疑似ライヴでお馴染「Lowdown Popcorn」も完全スタジオ・ヴァージョンが収録。J.B.自身によるキワキワなオルガン・プレイも好調です。特に「Funky Drummer」は後年ブレイク・ビーツとしても重宝された逸品でHip Hopと地続きであることが正しく理解できる激重要作。ビートは研ぎ澄まされたファンクの範疇ながら、楽器ソロをしっかりフィーチャーさせるなど極めてジャズ的な手法も取り込んで、あちこちで真似された独自の男気ファンクを提示。まさに時代の最先端を走ってた御大が実に頼もしいです。そんなこんなで最後はギャラ問題でJ.B's総入れ替えとなりブーツィ・コリンズ加入の「The Drunk」で締め。ネクスト・ステージ突入を感じる激熱インストです!
「どんどん密度の濃いファンクを発表したファンク大統領。政治家並みに影響力があったのも理解です」

I Don't Want Nobody To Give Me Nothing 1969


It's A New Day


テーマ: ゴスペル/ブルース/R&B/ソウル/ファンク | ジャンル: 音楽

Across 110th Street / Original Motion Picture Score * 1972 U.A. | Home | The Fame Studios Story 1961-1973 / Various Artists * 2011 Kent (Fame)

コメント

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これはスゴイ。
録音はもちろん古いけど音世界の新しさがハンパないッスねぇ。

実は長年のブログ生活でもJBを取り上げたのは
亡くなったときの一度きりです。
自分の文章力の無さが理由なんですが、
言葉でなかなか表現出来ないこの音は
やっぱり実際に体で感じないとダメなのかも。

何しろカッコいい。まずは聴け!ですね。

2012/03/02 (Fri) 01:10 | めれんげkonomi #- | URL | 編集
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★めれんげkonomiさん
 いや、ほんま革新的です。二十歳くらいの頃、頭がおかしくなるくらい朝から晩までコノ人の音楽を聴いてましたヨ。そして今、聴いても新しい!
凄いオッサンですわ

2012/03/03 (Sat) 00:44 | ezee イージー #- | URL | 編集

おはよーございます!
JBのボックスは大学生の頃に発売されたのを一つもってます!
最初は初期ばかり好んで聴いていましたが、ファンクもカッコいいなって本気で思えるようになりました(^_^;)。

一度だけ彼のステージを見られたことが自分の大切な思い出の一つです。

2012/03/04 (Sun) 08:26 | 波野井露楠 #- | URL | 編集

ezeeさん、お早うございます♪

JBは理屈抜き、問答無用、アタマで考えるより、身体で聴けですよね(笑)

そして、取り巻く人脈も良いですよね!
Vicki Anderson、良い響きです!

2012/03/04 (Sun) 09:24 | リュウ #EKsGaSlY | URL | 編集
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★波野井露楠さん
 信念を持ってファンクしてたオッサン。ほんまカッコええですわ~
私も一度だけ、御姿を拝みましたが、見ておいてよかった。これで息子にも言えます、“俺はJBを見たっ”と!

2012/03/04 (Sun) 20:15 | ezee イージー #- | URL | 編集
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★リュウさん
 そうそうホンマ、体で聴くって感じです。腰が知らんまに動いてきますから。
ブルース・リーやないですが、“考えるな、感じろ”ってのがコノ人のファンクですね~ 最高!

2012/03/04 (Sun) 20:21 | ezee イージー #- | URL | 編集
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おぉ、かっちょいいですねー。
ぼくはJBのディープなファンというわけではないのですが、
ブラック・ミュージックが好きな人なら必ず通る道ですよね。
「政治家並みに影響力があった」とはホント頷けます。
紹介して頂いてるこの盤、気になったのでさっき注文しました。
届くのが楽しみです。
しかし、朝から晩までJBを聴いていた二十歳ってのも、すごいですね~。

2012/03/04 (Sun) 22:48 | Okada #IyXRixCA | URL | 編集
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★Okadaさん
 まさにコノ人に洗脳された若かりし頃。ちょっと立ち寄ればよかったのに、頭まで浸かってしまいました。何せ、凄い吸引力やったもんで・・
しかし音楽は勿論、アフロ・アメリカンの地位向上にも尽力した活動は素晴らしかったと思います!

2012/03/05 (Mon) 00:10 | ezee イージー #- | URL | 編集

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