The Fame Studios Story 1961-1973 / Various Artists * 2011 Kent (Fame)

Southern & Deep
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  今やPCでプロの音さえも作られ、ソフトさえ同じならば同じ音が世界の何処でも構築可能な現在ですが、アナログ全盛時は各土地で特徴あるスタジオとミュージシャンを抱え独特の音がありました。そんな時代、ソウル・ミュージックの聖地として知られたマッスル・ショールズのFame。リック・ホールのGoサインがなかなか出ず長らくお預け状態だったFame本体の音源に加え、アトランティックやチェス系アーティストの本スタジオ南部録音も加えた全貌を捉えた大特集盤が昨年やっと出ました。ソウル道入門の頃、エエ曲やと思ったら必ずブチ当たったのがフェイム録音。これは嬉しい!ディープ・ソウル好きには家宝となる傑作集です。
 中身はざっと3枚組、75曲。ちょっと半端な気持ちでは対峙できません。まずトップを飾るのがストーンズ・ファンにはお馴染の暖かスロウArthur Alexander「You Better Move On」。アラン・トゥーサン作のThe Del-Rays版「Fortune Teller」もあります。その中で1枚目のハイライトはBobby Moore & The Rhythm Aces「Searching For My Love」。田舎臭いですが何回聴いても泣かせてくれます。そしてJames & Bobby Purifyの大ヒット「I'm Your Puppet」もコノ地での録音。他もFameの看板Jimmy Hughes、ダイアルのJoe Texの大ヒットなど主要作はしっかり網羅。ライターとしても重要人物のDan Penn、Goldwaxの歌姫Barbara Perry、ノーザン・クラシックJames BarnettJoe Simonの初期作、涙腺直撃のバラードJames Gilrethなど無視できん名作が目白押しです。そしてWilson Pickettの代名詞にしてニューオリンズクラシック「Land Of 1000 Dances」で1枚目は締めです。
 2枚目はOtis Redding伝説のFameデモ録音「You Left The Water Running」でスタート。Atlantic勢が台頭で、Arthur ConleyAretha Franklinなど歴史的名演が次々録音です。本体からレンタル移籍だったClarence Carterの「Slip Away」デモ版や、Don Covayの「You Put Something On Me」もグレイト。そんな中でも卒倒クラスなのがアリサでお馴染「Do Right Woman, Do Right Man」のOtis Clay版で完璧の一語。続いて多くの録音をOEM的関係にあったChess勢の劇的な活躍も白眉。これぞサザンソウルど真ん中といった佇まいのKip Andersonから、絶対外せないIrma ThomasLaura Lee、初めて聴いたMitty Collierでの「Take Me Just As I Am」などグレイト極まりない録音の連打。中でも、先般亡くなってしまったのが悔やまれるEtta Jamesは最高峰。再発が待たれるダイナマイト・デュオMaurice & Macも嬉しい収録です。他も単体でも聴くべしのキーパーソンGeorge Jackson に加え、デモや仮歌で活躍したJeanie Greeneや、南部版モータウン・サウンドも興味深いLinda Carr、名作というしかないThe Blues Bustersと珠玉の録音の雨あられ。
 3枚目は名曲「I'd Rather Go Blind」を歌うSpencer Wigginsなどもありますが、1等賞はWillie Hightower。サム・クック直系の説得力抜群の歌唱で「Walk A Mile In My Shoes」は何度聴いても震えが来ます。そして女王Candi Statonも登場で、単独版は必須です。またブルース・ファンクでのLou Rawlsや、ハコバンThe Fame Gangによるソリッドなインストも聴きどころ。そして凄いのがローラやキャンディ版の原形となる無名シンガーによる「Another Man's Woman, Another Woman's Man」のデモや、「Wanted: Lover」を歌うJames Govanで天晴れな出来。また白人キッズ・グループThe OsmondsのNo.1ヒット「One Bad Apple」も何とFame録音。実力派Roscoe RobinsonBettye Swannに、ポップスのBobby Gentry嬢の南部録音もココで聴けちゃいます。
「最後の砦だった魔法のサウンド“Fame”。ただただ感動です・・・!」
Don Covay「You Put Something On Me」


Bobby Moore & The Rhythm Aces「Searching For My Love」


テーマ: ゴスペル/ブルース/R&B/ソウル/ファンク | ジャンル: 音楽

The Singles Volume Six 1969-1970 / James Brown * 2008 Hip-O | Home | Rocks the House / Etta James * 1964 Chess

コメント

No title

あー、これごっつ良いですよね。
ブックレット仕立ての装丁も愛おしいブツでした。
中々まとめて聴く時間も取れないんですけど、
ボケーっとしながら、ラジオ感覚で流し聴きしてるだけで
心がホクホクになります。
もうすぐ春ですね。
あ、ついキャンディーズが出てしもた。

2012/02/28 (Tue) 01:25 | Okada #IyXRixCA | URL | 編集
No title

★okadaさん
 最近はこういう全集もんに秀作多しですね。今も仕事しながら、ずっと流してましたが、ええ曲になると聴き入ってしもて効率上がりまへん。
でも寒い夜中にぽっかぽかソウル。ええね~

2012/02/28 (Tue) 01:54 | ezee イージー #- | URL | 編集

ezeeさん、お早うございます♪
これはまた凄いコンピですねー、クラクラしそうです(笑)
やっぱ人間の作ったサウンドは熱気が違いますよね!
探してみます(^_-)-☆

2012/02/28 (Tue) 08:21 | リュウ #EKsGaSlY | URL | 編集
まいどっす

こりゃ是非皆さん聴いてくだされ サザン・ソウルの醍醐味溢れんばかり也ですわ 
そや『TAKE ME TO THE RIVER: A SOUTHERN SOUL STORY 1961-1977』と共に聴けば
魂どこかに持って行かれそうやね う~む凄い

2012/02/28 (Tue) 11:19 | ナルダン珈琲店主 #mQop/nM. | URL | 編集
No title

お前よー聞いとんの~、マジ尊敬するわ。

2012/02/28 (Tue) 22:00 | 徳永8号 #- | URL | 編集
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ezeeさん、毎度です。
こんなの出てるんですねー。
実はマッスルショールズはまだまだ未開の地で、ジェイムズ・カーとダン・ペンくらいしか知らないのですが、そりゃもう好きに違いないです。
めっちゃあったまりそうですね!

2012/02/28 (Tue) 22:16 | goldenblue #- | URL | 編集
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★リュウさん
 このフェイム音源はあちこちに点在しますが、こうやってCDでまとめられたのは初めて。快挙ですわ! 全国の図書館に置いておかなくちゃいけないのがこの名録音集です。

2012/02/28 (Tue) 23:34 | ezee イージー #- | URL | 編集
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★ナルダン珈琲店主さん
 TAKE ME TO THE RIVERと本作でサザンソウルの良心は完全に伝わりますな~ よくぞ出してくれました!

2012/02/28 (Tue) 23:38 | ezee イージー #- | URL | 編集
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★徳永8号さん
 ふっふっ、どや、まいったか! 何でもすぐに影響受けて聴きたくなるのは全然変わらんけど、基本嗜好も変わってへんやろ? またエエのん送ってな~

2012/02/28 (Tue) 23:44 | ezee イージー #- | URL | 編集
No title

★goldenblueさん
 毎日、寒すぎる日々に、よ~あったまりまっせ~
ディープ・ソウルの理想形のひとつがココにあります! ぜひ常備薬に、どうぞ。

2012/02/28 (Tue) 23:57 | ezee イージー #- | URL | 編集

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