The Light of the Sun / Jill Scott * 2011 Warner Bros

はやくも師走。振り返る余裕すら無いですが、今年に聴いた新譜の中では光り輝いていた1枚。っていうか買ったのはi-tunesやけど。だって安いし、曲も多いし嵩張らへんねんもん!クオリティの高い音を発信し続けたHidden Beachレーベルを離れての新作でしたが、芯はブレることなく良い意味でのメジャー感も増した良いアルバムでした。しかしビルボードで1位まで獲ってたのは驚きでした。ずっとオールド・ソウルやジャズの良心を継承しつつ、ヒップ・ホップの連中とも積極的にコラポする柔軟な姿勢で、良作を連発してきた人。こういうなのが売れてるとオッサンとしては安心します。フィリー出身で、で元々ザ・ルーツのクエストラヴ一派ってだけで信用できます。
中身は冒頭「Blessed」から絶品ソウル炸裂。生っぽい音作りにクールなジル嬢の声が存在感抜群でそびえ立ちます。そして本作の勝利が確信できたのが、シーン最前線にいつつオールド・ソウルの香りをプンプン放つ異才Anthony Hamiltonとデュエットした1stカット「So In Love」。クールなミッド・ダンサー調の中、途中でハイ絶頂期のアル・グリーン的な展開になるところなどシビれまくり。何回も聴いちゃいます。また全盛期のアレサとスウィート・インスピレーションズを思い出さずにいられない「Shame」もクールなダンサーで圧倒的な展開。後半、切り込むEveのラップもカッコよし。Doug E. Freshのヒューマン・ビート・ボックスが炸裂するなかラグタイムまで同居した「All Cried Out Redux」から、「Le BOOM Vent Suite」あたりはスイング時代のジャズを感じさせる憎い構成。一方、浮遊感の中で進む「So Gone」ではヒューストンの人気ラッパーPaul Wallも参加です。中盤よりマッタリ感も増しますが、ループ気味のピアノと淡々と無機質なビートの上で唄う「Until Then (I Imagine)」や、静かにハネたビートとエレピ音が絡む「When I Wake Up」あたりグッとソウルを感じさせてくれます。そしてジャジーにゆったりスイングする「Rolling Hills」で本編は幕。
そしてオススメなのはi-Tunes LP仕様のデラックス版。歌詞カードにフォト、メンバークレジットも付いていてCD買ったような気になります。しかもボートラ3曲プラスなのに安いです。なぜかこのボートラでしか聴けないタイトル・トラック「The Light of the Sun」はジャム・セッション風の中でジル嬢が泳ぎます。浮遊感の中進む「Love Soul Bounce」、やたらラウドなドラムが印象的な「I Love You」も満足度高し。
「移籍を機に新たな旅立ちとなったジル嬢。大御所の雰囲気もバッチリ出てきました!」
Jill Scott ft. Anthony Hamilton- So In Love
Shame (feat. Eve & The A Group)
よっしー72
No title