The Brussels Affair '73 / The Rolling Stones * 2011 Stones Archive

30年、音楽を聴く媒体として君臨し続けたCD。市場規模がアメリカで2006年4000億円から2010年には1500億円規模にまでになったそう。N.Y.など主要都市の大型レコード店はほぼ消滅。その中で大手レーベルの再編も加速度を増してます。日本も同様で出荷枚数は半分に。もちろんその背景にはi-podから始まった配信の躍進があり、自分もすっかりその恩恵に与ってます。自宅で買え、場所もとらないのに加え、アルバムのバラ売りまでしてくれるその便利さには敵いません。売り手側もレアで需要の少ない音源でも永遠にカタログ化しておいてもコストがたいしてかからないのは利点でしょう。しかし、長年続けてきたジャケやクレジットを眺めながら聴くってスタイルが無くなり、モノに対する思い入れが浅くなるってのは寂しいモンです。コレっといったものはちゃんとブツで所有したいのが本音ですが、業界が沈めばそうもいきません。悲しいかな間違いなくCD市場縮小はさらに続くと断言できる状況となっています。
そんな中、状況を見越したように突如立ち上がったStones Archiveなるサイト。過去のストーンズの垂涎音源が続々とオフィシャル配信リリースされるらしくて、大きな時代の変化を感じますがコレは歓迎。ただ第1弾の本ライヴはGoogle MusicとArchive限定のもようです。元々、ブートレッグではかなり人気の音源だった、73年“Goats Head Soup”発表時のブリュッセル公演でキース=リズム、ミック・テイラー=リードという分業気味だったモロ70's体制ド真ん中の演奏が、円高の最中7$という安値でみっちり楽しめます。先に出たテキサス'78ライヴ同様にボブ・クリアマウンテンがミックスしたものでドラムの音も迫力満点です。編成はボビー・キーズ等のホーンに加え、鍵盤ではビリー・プレストンも参加。評判のライヴだけあって初っ端の「Brown Sugar」からブッ飛ばしていて大興奮です。キースの「Happy」や傑作「Tumbling Dice」、大熱演の「Midnight Rambler」と定番の熱い演奏も聴きどころ。また「Dancing With Mr. D」や「Doo Doo Doo Doo Dooo」のライブ・テイクは個人的にかなり新鮮でカッコよかったです。それに意外と荒削りなスロウ「Angie」も。後半もラフな「Honky Tonk Women」から、「All Down The Line」、「Rip This Joint」、「Jumping Jack Flash」、「Street Fighting Man」の凄まじき迫力の5曲は必聴。特にスライドも多用するミック・テイラーのブルージーなプレイを楽しみたいストーンズ・ファンならすぐさま購入マストの15曲です!!
「しかし、これがオフィシャルで出る時代。結成50年目前に凄いことになってきました」
リュウ
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