Raise! / Earth, Wind & Fire * 1981 Arc

ソウルやファンクに傾倒するきっかけは、オーティスのドック・オブ・ザ・ベイで・・と記したら渋いのですが、人生最初にお気に入り曲は紛れも無くアースの「Let's Groove」。宇宙船搭乗員みたいな衣装で、三角形の中で踊りながら歌うPVはかなり印象的で、モーリス・ホワイトのドヤ顔もお気に入りでした。当時、黒人グループでメジャーだったのはポップに変身したクール&ザ・ギャングやこのアースで、P-FunkやらJ.B.とか正直全然知りまへんでした。とにかくチャートに入ってるものは、全て受け入れてましたが、ちょっと当時は宗教っぽさや統制臭さを感じて、自由な感じが無いような気がしたのでシングル曲だけ聴いてました。時が経ち、ちゃんとアルバムまで聴くと実にハイレベルのブラック・ミュージックで驚嘆したもんです。ともかくブラック・ミュージックの入り口となった曲が入ったアルバムが、このアース失速直前の本作。名手アル・マッケイも脱退していて、もうすでに低迷期やという声もありますが、ココまでは大丈夫です。一応、グラミーも獲ってます。
中身は何といっても冒頭の「Let's Groove」。YMO通過後でトレンド感もあったヴォコーダーのイントロ、押さえめミックスのホーン、グイグイ引っ張るシンセ・ベースと従来のアースからしたら新機軸です。ポップなメロディやコーラスも印象的で今聴いても80'sファンクの傑作やと感じます。とにかく、個人的にイントロからテンション上がってしまう曲には変わり無し。シンセを前面に押し出した「You Are A Winner」なんかも新しさを感じますが、フェニックス・ホーンズがブリブリうなる従来のアースっぽい「Lady Sun」、フィリップ・ベイリーのファルセット爆裂の「Evolution Orange」、パーカッシヴな感覚が気持ちエエ「I've Had Enough」といったファンクは70年代後半からの流れを踏襲。安心して聴ける分、スリルは後退。一方、ブラコン的ミッド・グルーヴの「My Love」や「Wanna Be With You」ではモーリスの兄弟でもあるフレッド(Dr)、ヴァーダイン(b)のリズム隊がタイト。都会的な雰囲気でなかなかお洒落です。最後は、ハードなギターもフィーチャーしたイケイケの「Tha Changing Times」ですがやや空回り気味です。
「日本でもディスコの定番として超メジャーなアース。コンセプトから演奏まで完成度高いグループです!」
You Are A Winner
よっしー72
No title