There's a Riot Goin' On / Sly & The Family Stone * 1971 Epic

Funk
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  以前からスライ・ストーンのウッドストックなんかでのパフォーマンスは、自分が思うファンクと言うには“ちょっと違うなぁ”と違和感を感じてましたが本質的ファンクをずっしり感じるのはやはり“暴動”と題された本作。ポップさは煌びやかさは無いもののドス黒さは満載です。社会や音楽が白人世界と融合を目指した中で発表された初期アルバムの高揚した雰囲気とは違って、それらが幻想であったことを悟ってしまったような憂いに満ちた内省的アルバムですが音的には実にクール。偽った人類仲良しを強調したような初期作より、よっぽど好きです。この時代のマイルスやスティーヴィー、そして後のプリンスにも影響を与えた重要作。もはや崩壊していたバンド形態の中、多重録音を多用したこもった音の中で密室的ファンクが花開いてます。
 1曲目から奇妙なテンションが心地良くもある変態性ファンク「Luv N' Haight」です。今迄の分かりやすさから、一気に突き放します。独特のビートが弾き出すグルーヴが中毒性満タン。けだるさの中でラリってる感満載の「Just Like A Baby」に続く、「Poet」は本作制作中に脱退のラリー・グラハムの淡々としながらも存在感あるベースが光るクール・ファンク。そして本作のハイライトといえる名作が、リズムボックスとエレピの音で淡々とグルーヴする「Family Affair」で、フィリー・ソウルの立役者ギャンブル&ハフも制作に加わったNo.1ヒット。初期ヒットからすると地味な作品ですが、クールなカッコよさではズバ抜けた作品。「Africa Talks To You "The Asphalt Jungle"」は長尺のジャズ・セッションのようなジャムから、御存知の通り、最も世の中をナメた無音のタイトル・トラックは無音。後半はドス黒いファンクながらトランペットの音が独特の空気感を醸し出す「Brave & Strong」、本作では比較的ポップで和む「(You Caught Me) Smilin'」と緩急つけてます。本作で最もブルースを感じる「Time」に続いては、レイヒ~とカントリー・ヨーデル炸裂の「Spaced Cowboy」。印象的なリズム・ボックス・ビートの中、ヤケクソで白人文化と手を繋いでる感さえします。そして最後は斜に構えたアフリカ回帰を重心の低いファンクに込めた「Thank You For Talkin' To Me Africa」。自らのファンク・ヒット曲をテンポを落としてへヴィーに仕立て上げた逸品で、ラリー・グラハムと思われるベースが全編を引き締めてます。
「本来のスライが持っていたシニカルなファンクネスが表出した感じ。陰気やけどエエです。」

Family Affair




テーマ: ゴスペル/ブルース/R&B/ソウル/ファンク | ジャンル: 音楽

Diamond In The Rough / Syl Johnson * 1974 Hi | Home | The Real Deal / The Isley Brothers * 1982 T-Neck

コメント

ezeeさん、今晩は!スライのこの作品も奇跡の一枚ですよね…いやいや本当に凄い代物です…。
汚れ、掠れきったクールファンク。
ドス黒いグルーブにやられっ放しです(笑)

2011/10/09 (Sun) 21:34 | リュウ #EKsGaSlY | URL | 編集
No title

★リュウさん
 いや、しかし黒いっ 絶望の淵にいるスライが、絞り出した革新的サウンド。
薬はダメですが、酒のみながら聴くとエエですわ~

2011/10/10 (Mon) 00:12 | ezee #- | URL | 編集
まいどっす

今時のスライはん ドラッグに溺れ そのうえ、バンドとの亀裂が生じ
最悪な状態やったらしいですな そやから重いテーマに合わせて
乾き切った音色を醸し出してたんでしょうね
名曲「Family Affair」聴きながら、そんな想いに駆られとります
いずれにせよ天才が心情を綴った名盤やと、思とります。

2011/10/10 (Mon) 23:52 | ナルダン珈琲店主 #mQop/nM. | URL | 編集
No title

★ナルダン珈琲店主
 人間、苦境に陥ったとき素晴らしい芸術を生む時があると思えるアルバムでんな。真の苦しみは偽りの心境では表現できんのですね。
重い雰囲気ながらクールな音です~

2011/10/11 (Tue) 00:32 | ezee #- | URL | 編集

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