Collection of Great Dance Songs / Pink Floyd * 1981 EMI

最近、会社の大先輩がサム・クックについて語った記事が掲載となり立ち読みとはいかず買ったレココレ。そこで大特集されてたのがピンク・フロイドの“狂気”のDXリイシュー。モンスター・アルバムとか超名盤と言われてますが、実は昔にカセットに録ったもののよく分からずほったらかしになったアルバム。オッサンとなった今なら分かるかもしれないので、どっかのタイミングで聴いてみようと思います。そもそも、クールなシングル曲「Another Brick In The Wall (Part 2)」が気に入って入手したアルバム“The Wall”も全く良さが分からずじまいでした。やはり長尺なアルバム主体のプログレ系は体質的に無理があったのかホント馴染めませんでしたが、唯一よく聴いたのがこのベスト。ポール・マッカートニーのキャヴァーン・クラブR&Rライヴでも見事なプレイを披露したデヴィッド・ギルモアのギターの良さが浮き彫りになった編集アルバムで、ファンからしたらプログレのベストなど超邪道かもしれませんが思い入れが強いので紹介です。
中身は曲が長いので6曲のみですが正直いって全部サイコーです。まず素晴らしいのが1曲目の「One Of These Days」。不気味な緊張感満載のこのインスト。邦題“吹けよ風、呼べよ嵐”のほうが通りがいい有名曲で、全日本プロレス中継でザ・シークと共に暴れまくってた名ヒール“アブドーラ・ザ・ブッチャー”のテーマとしてあまりにも有名。当時、TV中継でコレが鳴っただけでゾクゾクしたもんです。次が“狂気”からの「Money」で、本ベスト用に録り直された唯一の新録。レジスターの音をリズム化したのは斬新です。“アニマルズ”からの「Sheep」は鬼気迫るロジャー・ウォーターズの歌声にギルモアのハードなプレイも聴きモノ。そして名作2連発の登場。アルバム“炎”からの「Shine On You Crazy Diamond」に「Wish You Were Here」。前者は初期メンバーで精神病により脱退したシド・バレットについて書かれたと噂された大作。ドラマチックな構成、神秘的なリック・ライトの鍵盤、劇的なデヴィッド・ギルモアのギターと長いですが魅力的な曲です。本作ではPart1と2に分けられてた曲が1トラックにまとめられてるのもナイスです。また後者はギルモアのセンス満開の土着的な名曲。カントリー的で素朴なアレンジも絶妙。最後は子供コーラスとファンキー・カッティングが印象的な「Another Brick In The Wall (Part 2)」。緊張感とPopさが同居した不思議な魅力に溢れてクセになる名曲です。そんな感じで、アート先行型の退屈で難解な曲も一切入ってないので、プログレがあかん人には超オススメです。
「アホかっと思われてもいいので言います。プログレはベスト盤が一番でんな~」
Another Brick in the Wall Part 2
Shine On You Crazy Diamond
Mr.Pitiful
「レコ・コレ紳士録」