With Love / Sisters Love * 2010 P&C (Motown)
マジっすかと声に出してしまった、待望の1枚。70年代前半にL.A.に拠点を移したモータウンが、より洗練されたサウンドとなってきた頃の女性グループ。以前に会社の仲間に貸してもらったフリー・ソウル盤に収録されてたカーティスの「Give Me Your Love」は即効でノックアウトされた1曲でした。カーティスの名盤でも大好物であったコノ曲がハスキー声のレディ・ソウルが演ってたことを知って、コレはまとめて聴きたいっと思ってたグループでした。レイ・チャールズのバック・コーラス隊“レイレッツ”から派生して出来たグループで、シングル中心に活動するもアルバムすらロクに残していないグループだったので、コンピとかで聴くしかないと思ってました。ところがどっこい、残された未発表曲と共に1枚モンとしてモータウン時代の集大成が登場。ファンキーな味付けが施された70年代サウンドにゴスペル・グループ出身のヴァーメッタ嬢の激ソウルなハスキー・ヴォイスが冴えまくる、このグレイトな発掘盤は雰囲気も伝えるジャケからして最高です。
中身は冒頭からボビー・ウォマックの「Communication」カヴァーで濃厚なコーラスが味わえ、いきなりガッツポーズです。そしてモータウン・デビューのシングルで南部の香り漂うファンク曲「Mr. Fix-It Man」、ストリングスの緊張感も効いたニューソウル風味も加わった2ndシングル「You've Got My Mind」と耳奪われっぱなしの展開。半分以上を占める未発表曲も「これが未発表?」と疑うクオリティで迫ります。ハニーコーン風のキャッチーな曲調ながら激ハスキー声がソウル指数を急上昇させる「Fast Mack」、濃厚さが凄まじいスウィート・インスピレーションズの「Sweet Inspiration」、レーベルの先輩コントゥアーズの「Just A Little Misunderstanding」、スリリングさと軽快さを両立させた「I'm Learning To Trust My Man」とマジ文句無しの充実さ。またスロウも、ハイタッチで交替したレイレッツ出身リリー嬢が「Do What You Gotta Do」でドリーファンクJrの如くツボを攻めます。このニーナ・シモンやアル・ウィルソンも歌った名曲を語りも交えた展開でじっくり聴かせます。そしてスポットが当たるきっかけとなった「Give Me Your Love」。絶妙なニューソウルの香り、原曲よりディープな味わいと何回聴いてもカッコええです。またポップ・ファンク満開の弾けまくるVoがたまらん「You've Got To Make The Choice」や、枯れ声がハマりまくる劇唱バラード「I Ain't That Easy To lose」あたりもヴァーネッタ嬢の真骨頂発揮といえるハイ・クオリティさ。最後のド迫力アップ「A Better Man Than You」まで息もつかさぬ珠玉の名録音で万歳三唱です。
「とにかく黒音ファン必聴。単なる寄せ集めとは一線を画する、今年のリイシュー・発掘関連では飛び抜けた1枚!」
Mr. Fix-it Man
ナルダン珈琲店主
おお~っ