Sucking in the 70's / The Rolling Stones * 1981 EMI

今にしたら中途半端の極みみたいな編集盤ですが、思い入れだけで紹介。80年代前半、洋楽担当であった兄貴のレコード棚から頻繁に引っ張り出して聴いていたのが当時の新譜であった「エモーショナル・レスキュー」や「刺青の男」ですが、あまりにカッコいいので他のモンも聴きたいっとなり購入したのがコレ。何が出てて、どれがいいとか情報もあまり持ち合わせていなかったので、“とりあえず新しいのをっ!”ということで新譜として聴いてました。やはり決め手は「エモーショナル・レスキュー」の中でハート鷲づかみであった新感覚ファンク曲「Dance」のパート2と書かれた「If I Was A Dancer」の収録。Bow Wow Wowとかクラッシュの「コンバット・ロック」なんかとフツーに並列で聴いてました。でもコレが強みやったんでしょう。土臭い音がやたら古く感じたニューウェーヴ勃発期。イーグルスとか一緒のテープに入れれませんでした。ダーウィンやないですが“変化に対応したものだけが生き残る”ってのを今になって実感します。数年前に出たRarities 1971-2003の発売でコレも用済みと思いきや、そっちもまた中途半端な選曲で本作の必要性はいまだ存在。嬉しいやら、悲しいやらです。ジャケもCDになってシンプルになりましたが本当は“Sucking in the Seventies”と文字羅列されたものでした。
本作のポイントはミック・テイラー脱退後の75年以降中心に王道を外した重要曲中心に選曲されてるってとこ。ココがミソで何となく愛着がわくところ。な~んか自分で編集したベストみたいな感覚なんですわ。冒頭に収録されたのも“Miss You”なんかのヒット曲ではなく「Shattered」。これはパンク・ニューウェーヴ聴いてる奴らとか新しいファンに向けたモンやったとしたら大正解でした。私もまずココでKOです。「When The Whip Comes Down (Live version)」はオフィシャルにはココでしか聴けない荒々しく突っ走るライヴ版で、コチラもお気に入り。「Shattered」のB面だった「Everything Is Turning To Gold」もアルバム未収録の秀作で、エモーショナル・レスキューに入ってても違和感全くなしのファンク調。さすがNYのディスコSutudio 54の常連だったミックのいちびり感がたまりません。後はガキどもに“Love You Live”を買わせるには充分の動機となったエル・モカンボからの「Manish Boy」(←多分、生まれて初めて聴いたブルース)、やたらソウル色濃い“Black And Blue"からの「Hot Stuff」、「Fool To Cry」としっかり洗脳されました。エエ曲なんですが、この中では確実に浮いていた唯一のミック・テイラー期「Time Waits For No One」も収録。サンタナみたいなギター弾いてます。そして最後は泣く子も黙る激傑作「Beast Of Burden」の反則技に有無を言わさずって仕組み。古くからのファンには評判はもう一つやったみたいですが、忘れられん名編集盤です
「クールでソリッドなストーンズをアピールするには充分機能した本作。しっかり記憶に残ってます」
Everything's Turning To Gold
When The Whip Comes Down - Live '78
リュウ
No title