BOOWY / BOOWY * 1985 EMI

本屋で涼んでいるとレコード・コレクターズ誌の日本の80年代ロックアルバム・ベスト100なる面白そうな企画が目に飛び込んできました。「まさに自分の思春期の時代。あの時のアルバムは何位なんや?」と結構ワクワクもんで購入です。が、パラパラ見てみると「こんなの当時、廻りの友達誰も聴いてなかったぞっ!」という、はっぴいえんどやシュガーベイヴ系の人等ばっか。RCやサザンはさすがに数枚あって、ルースターズとショーケンも辛うじてあったのが救い。それもそのはず、自分より年上のジジイばっかが選者だったので“その時、大人だった人が選ぶベスト100”やったのです。やはりビートを効かしたバンドは大人の耳には届かなかったのか、全然クールじゃないランキングに失望。The Modsやバービー・ボーイズ、スライダーズにアナーキー、ARBなどアレだけ猛威をふるって“確実に誰かが持ってったアルバム”は完全無視でした。粋だったロンリー・ハートのクリエーションにJohnny,Louis & Charや永ちゃんのLA録音なども違うのか?と。そして最大の違和感は、今も凄まじい影響力のBOOWYの不選出。売れたモノとエエモノは違うのも分かりますが、チャート上には普遍的に良いモノも多数存在してました。結構、過去のイイものを紹介する好感度の高い雑誌だけに残念。ただ、今20代未満の若きMusic Loverがこのベスト100を鵜呑みにして“これが当時、時代を席巻してたのか”と思われると恐ろしいです。オッサン代表として“ちょっと違うぞっ”と言っておきます。ここはアンチテーゼでBOOWY の名作です。
尖がった音ながら、もがいていたBOOWYが会社移籍でPopな要素も取り入れ開花したのがベルリン録音のこの3rd。四人囃子の佐久間正英がプロデュースしたせいか、高橋&松井のリズム隊も劇的にぶっとくなって気持ち良さ満開。ヒデキ直系のヒムロックのVoも冴えてますが、布袋寅泰が奏でるジャズ・コーラス駆使の艶やかロッキン・ギター・サウンドもココで確立です。曲の方も、解散時まで演奏されたBOOWYクラシックが多数収録で、布袋氏のメロディセンスが炸裂した冒頭の傑作「Dreamin'」から最高です。スカのリズムを取り入れた「Baby Action」、多くの若者がコレでファンクに興味を持った「Bad Feeling」と外そうにも外せない名曲連打です。メロディアス・パンク的な作風がカッコいい氷室作品も、ダンサブルなリズムが心地良い「Chu-Ru-Lu」や「ハイウェイに乗る前に」の他、最高傑作に推す人も多い「Cloudy Heart」と大充実です。しかしながら最大のハイライトは不朽の名曲「ホンキー・トンキー・クレイジー」。ハネたビート、メロディ、アレンジ、展開からグレイトすぎる金字塔的作品で、今聴いてもシビれちゃいます。以降の作品も誰もが真似したくなる(すなわちカッコいい)サウンド連発で、流石にベタすぎてライヴではやりませんでしたが、スタジオではなんやかんやと皆BOOWY曲をジャムってました。解散後、亜流がアホほど登場しましたが、本家を超えるモノはいまだ出ず。
「サウンドはもちろん、見た目もカッコええのがロック。皆が憧れた80年代の英雄は彼等です!」
Honky Tonky Crazy
DREAMIN'
goldenblue
No title