空 / 長渕剛 * 2001 For Life

Man's World
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 マッチョに変貌しセンスも変わったのか、すっかりワケがわからんようになってきた長渕剛。最近は本人よりコロッケ経由の方が好きだったりして。(←スンマセン) イカつい髪型で教祖的に振る舞うようになってきたのも板についてきましたが、千葉真一率いるJACのビジンダー(←古い)が嫁はんってことで筋肉情報も家庭に満載なんでしょうか。でも逆境をハネ退けるパワーを持った歌には、どこかしら惹かれる部分があります。「ライセンス」から「Jeep」あたりまで結構好きで聴いてましたが、なぜか社会人になって聴く機会は激減。そんな中、新世紀に入って久々にハートに火を点けてくれたのが本作でした。
 その「空」と題されたアルバム。久々にタッグを組んだという瀬尾一三氏のストレートなアプローチも奏功したプロデュース手腕も光ります。ジョン・クーガー・メレンキャンプ・バンドとかブライアン・セッツァーの作品でナイスなビートを刻んだケニー・アロノフが殆どの曲で叩いているのもナイス。で何よりまず、グッと心の奥底に染み入ってきたのがタイトル曲「空/SORA」で、個人的には「とんぼ」以来の名曲やと思ったくらいリピートしました。お馴染の自分をしっかり持てというメッセージを泥臭く伝える歌で、「眠らぬ街、東京の暗い路地裏で~♪」とコンプレックス交りのキーワードが並ぶひねくれた導入部から心の琴線をビンビン刺激してくれます。長渕流哲学を伝える力強いサビがクサくも最高の傑作で、アコースティック・ギターとオルガンが効いたシンプルなアレンジも奏功してます。メッセージを音楽に持たせるのは、ヒップホップの方がリアルやと感じてた時期ですがコレは格別でした。最近の押しつけがましいアプローチを敬遠する人も多いですが、このぐらいが丁度ええ塩梅です。また冒頭を飾る「勇気の花」もなかなかの力作で、吐き捨てるようでいて力強い歌唱にハーモニカもバッチリ。続く「すっからぴんのからっけつ」もタイトルからしてガッツポーズ。清原が惚れるのも分かります。親との死別を見つめた「コオロギの歌」、ストーンズのノット・フェイド・アウェイの如くボ・ディドレー・ビートと長渕ワールド融合の「くしゃみじゃなくてよかったよ」、ジョン・クーガー・メレンキャンプ彷彿の「10年前の帽子」とエエ曲あります。大袈裟感が鼻についた90年代後半の長渕でしたが、一歩手前でとどまり等身大で迫る姿がリアルさ増します。後半は、ちょっと好みやない展開ですが「唄を忘れたカナリア」は長渕節全開の逸品。崖っぷちに立った心境を赤裸々に唄う説得力は流石です。そんなことで、“昭和”あたりのアプローチが好きな人には間違いなく響くナイス・アルバム。今のところ、自分の中では最後の聴くべき作品です。
「大袈裟な宗教ほどウソ臭いのと一緒。やはり等身大の長渕はいつでもウェルカムです!」



テーマ: 本日のCD・レコード | ジャンル: 音楽

Crazy Legs / Jeff Beck & The Big Town Playboys * 1993 Sony | Home | アナーキー / アナーキー * 1980 Victor

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