Joined Together / Diana Ross & The Supremes And The Temptations * 2004 Motown



昔、少年ジャンプとかでたま~に人気漫画合体企画ってのが色々あって例えば“ド根性ガエル+トイレット博士”(←古すぎ)って感じで同じストーリーの中でキャラが入り乱れるっていう特別編。梅さんとスナミ先生が絡むという内容にワクワクしたもんですが、話自体はたいしたことないってのがパターン。それに似た感覚を覚える人気グループ合体企画ですが、絶対外せん名曲も化学反応で誕生してるのが流石モータウンってとこ。ダイアナ期末期のスプリームスと、デニス・エドワーズ加入後のテンプスの合体で68年、69年と2枚のアルバムを残してますが、それらに未発表曲+別ミックス17曲加えたジョイント企画のスタジオ・コンプリート盤。合体企画マニア(←おんのか?)に向け上手いコトまとめてくれてます。
既発表の2作は基本的にカヴァー中心ですが、燦然と輝くのはこの合体ユニットの大ヒット「I'm Gonna Make You Love Me」。ディー・ディー・ワーウィックのカヴァーでギャンブル&ハフの初期傑作でもあるコノ曲、メチャメチャええ曲です。1番をエディ・ケンドリックス、2番をダイアナ・ロスが華麗にリレーし、エディの闇を切り裂くファルセットから両グループ入り乱れの中、感動の最終サビと素晴らしい構成。ダイアナ嬢のベスト・パフォーマンスのひとつやと確信してます。他はモータウン・クラシック中心に様々なカヴァー曲がこの共演で聴けるのが楽しいのですが、リピートして聴きたいと思う出来がミラクルズの「I Second That Emotion」、デニス&ダイアナもいけるマーヴィン&タミー「Ain't Nothing Like The Real Thing」、曲の良さが光るフランキー・ヴァリ「Can't Take My Eyes Off You」ってとこ。共演の旨味もバッチリです。惜しいのが、デニスの声だけで聴きたいと思わせる「Funky Broadway」、スプリームスだけでもよかった「Sweet Inspiration」あたりか。贅沢な話ですが顕著なのが、ちゃんと分離したらもっとよかった「My Guy, My Girl」合体曲はデニス版マイ・ガール部分がマジでイケてるだけに残念。でも企画盤やし、しゃーないです。そして、やっぱり本家の方がエエと思ってしまうのがマーヴィンの「Stubborn Kind Of Fellow」や「Ain't No Mountain High Enough」、アレサ版を参考にしたようなザ・バンド「The Weight」、やたらサイケなスティーヴィーの「Uptight」、ちょっと軽いスライの「Sing A Simple Song」あたり。何回も聴く気にはなれません。また未発表トラックの収穫はビートルズ・ナンバー「Got To Get You Into My Life」、デニスの声がハマるファンタスティック・フォー「You Gave Me Something」、ファンキーなインプレッションズ「Amen」など。ここらは結構イケてます。おまけのおまけで、テンプスのアルバム“Get Ready”収録の「Not Now, I'll Tell You Later」スプリームス、バック・コーラス版まで入ってます。
「なんか得したような気になる合体企画。さすがモータウン! 色々やってます」
I'm Gonna Make You Love Me
Ain't Nothing Like The Real Thing
Ain't Nothing Like The Real Thing
まり
No title