GOLDEN☆BEST / 山口百恵 * 2009 Sony

日本でカリスマ・ディーヴァって誰なんやろっていうと思い浮かぶのは山口百恵。世代的にはぎりぎりリアルタイムで小学生の頃に見てた人ですが、ダウンタウンHEY!HEY!HEY!で彼女の特集を見て改めてその圧倒的な存在感を再確認です。今、思い返しても10代にして落ち着きまくった歌唱や、アイドル枠なのに際立ったアーティスト的なオーラを発するなど、引退以降も代わりとなる存在が一切現れてないのが伝説のディーヴァの証し。加えて、潔い引退で歌手活動を一切封印したのも伝説化に拍車がかかった状態です。個人的にいうと、改めてロックを感じる稀有なアイドルでもあったという事。宇崎竜童の作品を歌ってたイメージもありますが、アイドルにしてはあまりヘラヘラ笑わなかったり、歌ってる時の顔つきが完全別人で目が座ってるトコなどホンマもんのプロを感じるカッコええ人でした。正直、引退前の3~4年しか、しっかり記憶に無いですが20才前後なのに無茶苦茶セクシーで、TVで見てても直視できんくらい凄まじきオーラが確実にありました。百恵さんの引退年にデビューしてきた松田聖子を境に、近所にいそうな親近感を売りにしたアイドルが主流になり“真のスター性”を持った人が皆無になったのは、いささか寂しいです。やはり近寄りがたいカリスマ性があったロックな存在だった百恵さん。もちろん、歌も上手かったです。
曲で好きなのは、引退直前に放った震えるほどの傑作「ロックンロール・ウィドウ」。阿木・宇崎の黄金コンビの作品で、ドスの効いた歌いっぷりから、バックバンドをつけて歌うTVパフォーマンスも滅茶苦茶カッコよかったです。マジでしょーもない自称ロックの人等より、ロックを感じる名曲でした。このコンビでは名曲連発で「絶体絶命」なんかも三角関係を歌った渋カッコいい曲。また“あなたの××××が欲しいのです♪”と前代未聞の口パクがサビに登場の「美・サイレント」などのプチエロ系も、ドキドキもんでTVを見てた記憶が甦ります。もちろん本作には「イミテーション・ゴールド」や「プレイバック Part 2」、「愛の嵐」など宇崎・阿木路線の傑作が漏れなく収録。恋をしてドンドン色っぽくなる後期は必聴です。スロウでも、引退時にこのコンビで放った感動的名曲で最近はCMでも耳にする「さよならの向こう側」はじめ、エロハゲながらイイ曲を書く谷村新治の「いい日旅立ち」など、時代を超越して聴ける曲が多数存在していて改めて驚きです。ほんと、ただのアイドルやないことがハッキリ分かる傑作集となってます。
「時代は流れ、今や息子さんもTVに登場してる百恵さん。安っぽい復活無しに伝説のままでいてくださ~い」
ロックンロール・ウィドウ
くまきち
同感!