It's My Thing / Marva Whitney * 1969 King

歴代のJ.B.の相方を務めた女性シンガーでも重要な位置を占めるマーヴァ・ホイットニー。何といっても有名なのは68年の御大の名作アポロ・ライブでのオープニングを飾った「Think」のスリリングなデュエットですが、ソロでのレコーディングもなかなかの力作を残してます。中でも外せないのが、69年発表のこのアルバム。この時代ならではの空気感に、世界最高峰と間違いなく言い切れる60年代後半~70年代前半のJ.B.ファンク・サウンドをバックに熱唱です。メチャうまシンガーではないですが、緊張感満載の69年James Brown Bandの激クールなサウンドにややヒステリックなマーヴァ嬢の声が見事なマッチングです。ブレイク・ビーツの祖ともいえるクライド・スタブルフィールド(ds)にジミー・ノーラン(g)の存在感抜群の単音&カッティング・グルーヴ、フレッド・ウェズリーにメイシオ・パーカー、ピーウィー・エリス、St.クレア・ピンクニーといったホーン隊と役者揃い踏みです。勿論、プロデュースはJ.B.御大っていう間違いない布陣で制作された本作は、アーシー・ファンク好きには避けて通れないアルバム。
やはり聴きモノは冒頭のタイトルトラック「It's My Thing」。御存知アイズレーズの傑作ファンクのアンサー・ソングですが、J.B.の名作群と併せて聴きたい必殺キラーチューン。特にクライドの弾き出すビートは必聴です。ファンクというよりファンキー風味ソウルっていった趣の「Things Got to Get Better」あたりは二流の雰囲気を漂わせますが、サザンソウル風の「If You Love Me」や、スロウの「I'll Work It Out」なんかはエエ感じです。もちろんファンクは好調で「Unwind Yourself」や「I'm Tired I'm Tired I'm Tired」なんかは高音がキツめですがナカナカです。中でも御大James Brownがデュエット参戦する「You Got to Have a Job」は一気に緊張感がグッと増す傑作。やはりボスの魔力は凄いと改めて痛感する一撃で、二人して“Maceo!”とコールする様は圧巻です。そしてボートラも無視できん逸品がビシバシ。翌年の疑似ライヴに収録の超クールなファンク「I Made a Mistake Because It's Only You」、マーヴァのヒステリックな声がハマりまくる「What Do I Have to Do to Prove My Love to You」、J.B.でお馴染み曲のマーヴァ版「He's The One」と名演の嵐。残りもバカラック曲をシカゴ・ソウル風に仕上げた「The Girl's In Love With You」、Jazzyに御大とデュエットするボビー・へブの「Sunny」と聴き逃せん曲が収録。
「ファンク・ファン必携のJ.B.スピンオフ企画。ホンマもんのファンク・グルーヴを体感できます!」
MARVA WHITNEY & THE JB'S- ITS MY THING
Tell Mama by MARVA WHITNEY
YO-SUKE