That's The Way Of The World / Earth, Wind & Fire * 1975 CBS

自分は80's世代なので、アースっていえばまず“Let's Groove”。それはファンクにのめり込んでライヴ盤と本作「暗黒への挑戦」を聴くまでは。実はそれまで、壮大すぎるコンセプトで大袈裟な日本題がいっつもLPについてたのと、ちょっと宗教的な臭いもイヤやなぁと感じてましたが、ハイパーファンク・バンドって認識にガラッと変わっちゃうほどココらの全盛期のアルバムは秀逸でした。メジャーすぎて、ついライヴでの木下大サーカスみたいなイメージや、ベタなディスコ・クラシックみたいなイメージが一般的には先行しちゃいますが、ミュージシャン・シップに溢れた激ウマの演奏を土台にファンクにジャズ、ラテンの要素も取り込んだ超ハイレベルなファンク&バラードを70年代に多数量産。実は本作、不発映画のサントラながらファンク良し、バラード良しの数多あるアース作品でもトップレベルの1枚。
このアルバムが好きっていう人で大きいのは間違いなくコノ曲「Shining Star」の存在。イントロの単音ギターリフからベースが追随し、ホーン炸裂!強烈グルーヴながらサビはJazzyに決めるってのが憎いところです。最強ファンクであることは間違いなしで勿論チャートでも1位獲得。アル・マッケイのカッティングギターもビシビシ決まります!この曲の最後オクターヴ・ユニゾン・アカペラから間髪入れずタイトル曲「That's The Way Of The World」のエレピが入ってくるのがまたメチャかっこエエ構成。ゆったりメロウ・グルーヴが冴えまくりのコチラもフィリップ・ベイリー&モーリス・ホワイトのファルセット爆裂の超重要曲。続くパーカッシヴなビートにカリンバが絡む「Happy Feelin'」もノリノリですが、明らかに凡庸のファンク・バンドとは一線を画した独特のブラジリアン・グルーヴが心地よさ抜群です。ファンキーなピアノにタイトなビートがこれまた最高の「Yearnin' Learnin'」に続いては、アースのスロウでも抜群の人気曲「Reasons」が登場。スペース・シャトルに乗ってでも聴きたい優雅なスロウ・グルーヴにフィリップ・ベイリーの超絶ファルセットが響き渡る名演でココらあたりは2番目のハイライト。うねりまくるドス黒いグルーヴがたまらんインスト・ファンク「Africano」もパーカッシヴなアレンジで恍惚の世界へ誘います。ヴァーダイン・ホワイトのグイグイくるベース・プレイも聴きモノ。演奏レベルが異様に高く簡単にコピーできるバンドやないですが、恐ろしく気持ちエエ音で録られた楽曲はハッキリいってコノ時代では最高レベル。
「恐ろしい程の完成度の高いアース出世作。七夕の夜は宇宙的グルーヴで耳釘付けですわ」
Shining Star
That's The Way Of The World
Masato
No title