The Best In The First Degree / The Three Degrees * 1993 Philadelphia International

スタイリスティックスと並んで日本における超メジャー・ヴォーカル・グループ。殆ど毎年くらい来日する懐かしの人気グループって感じで、あまり聴くことはありませんでした。でも松田聖子がTVでカヴァーを歌ったり、ソウル・トレインの再放送などで気になる存在に。殆どポップ・グループとして認識してましたが、ギャンブル&ハフと組む前のシャンテルズ・カヴァー“Maybe”をコンピで聴いて驚愕。その激ソウルフルな歌唱に一発、虜になりました。そんな彼女達の全盛時といえば70年代フィラデルフィア・インターナショナル時代。元々、60年代からフィリーを拠点に活躍しててスワン・レーベル時代はモータウンみたいなガール・グループでしたが73年からのP.I.Rでは実に洗練された贅沢な音で華麗に迫ります。お馴染みの曲が綴られた本作は、日本の歌謡曲のルーツ的サウンドが満載でそのテイストが好きな人にはたまらん内容です。
そんな事で、創設メンバーのフェイエットと60年代加入したシーラにヴァレリーの3人でのフィリー・サウンド。1発目から「TSOP (The Sound Of Philadelphia)」でソウル・トレインのテーマとしてあまりにも有名な曲。そして日本でも人気の「Dirty Ol' Man」に続いては初ヒット「Year Of Decision」でフィリー・ソウルの最良の部分を伝えてくれる名曲。しかし何といっても極めつけは“天使のささやき”として有名な大ヒット「When Will I See You Again」。もうイントロの♪Woo、Ah~ Precious Moment~ってコーラスでこっちもトロけます。やっぱ3℃っていえばコノ名曲で、東京音楽祭でも金賞を獲ってこっから大ブレイクやったそうです。また日本編集盤ってことで筒美京平作の細野晴臣らのティン・パン・アレイが録音参加の「Midnight Train」、「苦い涙」も収録。林立夫のドラムも最高でなかなかのクオリティですが、後者は日本語で歌われていてソウルフルなキャンディーズって感じが◎。とにかくメジャーKeyのアップ~ミディアムは極上でバニー・シグラー作の「I Didn't Know」はじめ、「Take Good Care Of Yourself」や「Long Lost Lover」あたりは気分高揚、品質最高で文句無し。流石ギャンブル&ハフです。またディスコ・ファンク「Do It」、「A Toast Of Love」も深町純氏アレンジの日本録音ですが、後者は紛れもない傑作スロウでイギリスでもヒット。他もドラマチックな「What I Did For Love」や、P-Funk総帥G.クリントンのペンによるアップ「Standing Up For Love」などマジでエエ曲満載です。華やかなサウンドにコーラスの効いた適度にソウルフルな歌唱が、ホンマたまりまへん。
「いまでは少なくなったゴージャスな大編成サウンドに甘いヴォーカル。粋な音ですわ」
When Will I See You Again
ナルダン珈琲店主
まいどっす!!