Wake Up Everybody / Harold Melvin & The Blue Notes * 1976 Philadelphia International

豪快なヴォーカルで鳴らしたテディ・ぺンダーグラスがお亡くなりに。数多くの名唱を残した人だけに残念ですが、さんざん聴かせてもらった人。載せんわけにはいきません。82年の交通事故以来、車椅子生活となったものの90年代までコンスタントにアルバムを出してたのに、もうあの男臭いバリトンは聴けません。ゴスペル系の力強い70年代全盛期の曲はクラシックとなるマスト曲がほんまに沢山あり、ファンをいっぱい楽しませてくれました。勿論、私は後聴きですがグループに属していたブルーノーツ時代のアルバムはどれをとってもハズレなしの凄い状況。ソロでもメロウな傑作連発ですが、素晴らしきメッセージを持ったタイトル曲を含んだグループ時代最後となる本作も避けて通れない名アルバムです。
中身は何といっても冒頭マクファーデン&ホワイトヘッドのペンによる「Wake Up Everybody」。ゴスペルに直結する劇的なキラー・チューンで、私の中でテディズ・ワークスの中でもベスト5にいれたい名曲。ミステリアスなMSFBによるイントロからテディの歌力で後半にかけグイグイ盛り上がっていく様はほんとシビれます。“後ろ向きにならずポジティヴにいけ”と説くメッセージ性の強い歌詞も秀逸で、我が勤務先の社歌にでもして欲しいくらいです。個人的にも東京生活が始まる自分にとって、テディが鼓舞してくれてるようで勇気づけられます。近年Hip-HopやR&Bのオールスターズがカヴァーしたのも記憶に新しいところ。そして軽快ミディアム「Keep On Lovin' You」がまた最高です。サビコーラス=ブルーノーツにテディが荒っぽく男気満載で絡むというお得意のスタイルは何度聴いてもたまりません。メロウ系では途中加入したシャロン・ペイジ嬢とエロく絡む「You Know How To Make Me Feel So Good」もフィリーソウルの美味しいトコがしっかり味わえる逸品。続くギャンブル&ハフとテディの相性の良さを誇示する「Don't Leave Me This Way」、あの名曲“The Love I Lost”を彷彿させる「Don't Leave Me This Way」、「Tell The World How I Feel About 'Cha Baby」と力強いねじ伏せ系フィリー・ダンサーの連続技には惚れぼれします。サルソウル移行前のMFSBの華麗なる名演も併せもって聴かせてくれます。最後がシャロン・ペイジ嬢のリードVo曲の結構エエ曲「I'm Serching For Love」でしっとり締めですが、テディで締めて欲しかったってのだけが苦言。
「カッコええ歌声をいっぱいおおきに。これからも間違いなく聴き続けまっせ!」
Harold Melvin & The Blue Notes "WAKE UP EVERYBODY"
まり