Moral / BOOWY * 1982 Victor

先日、永ちゃんの東京ドーム・ライブに特別ゲストとして登場した氷室京介。還暦の永ちゃんもカッコよかったですが、来年50才のヒムロックも驚くほど若々しく往年のオーラをしっかり維持。甲本ヒロトも交え「黒く塗りつぶせ」で夢の共演です。そのエネルギッシュな熱唱にBOOWYよ再び!と、つい思っちゃいました。高校生の時、ビート系のバンドが流行りだしその中の頂点にいたBOOWYは、友達の影響もあり元々ミーハーな私はすっかりお気に入り。あまりのカッコよさに何やかんやと結局遡って全部聴きました。最初ビジュアルだけのチャラけたバンドやと思ってましたが、布袋氏と共に奏でる新型ビート・ロックは、メロディ・アレンジ・テクニック共にずば抜けてました。ARB活動休止時にも、友情出演してライブ参加したヒムロックの男気にも惚れたもんです。しかし、後のソロ活動の音は個人的には魅力半減。好みの問題ですが布袋氏と組んだ無敵バロムワン状態のBOOWYこそが最高の輝きを放っていたと、布袋氏のソロワークを聴いても同様に感じます。そのヒムロックの原点となるのが、このBOOWYデビュー作。後のバカ売れした時代とはまた違ったパンキッシュで危険な香りがたまりません。
中身はシャープなインスト「Introduction」から、いきなり名曲「Image Down」。“B-Blue”の頃の煌びやかな感じはまだ無いものの、The ModsやARBに通じるストレートのパンチ力は威力抜群。布袋氏の凝ったギターワークも片鱗を見せていて聴きものです。Popなメロディにも惹かれる「No N.Y.」は解散まで演ってた超人気曲。しかしこの頃、最大の魅力は尖がりまくった部分。“体がなきゃ、誰がおまえを~”と強烈な歌詞も印象的な「Give It To Me」、金属バット両親殺害事件をテーマにした「Watch Your Boy」、“人の不幸は大好きさ”と歌うタイトル・トラック「Moral」、サラリーマン批判の「Guerrilla」など説得力抜群のヒムロックのVoが光りまくり。パンキッシュな上から目線の歌詞も秀逸な「Mass Age」も必聴。ラストの痛快スピード・ビート「On My Beat」もアホほどカッコええです。CD時代になって同時期の「Dakara」、「Out!!」、「Let's Think」も追加。これらもなかなか高水準。
「後に出てきたビート系ロック全てがBOOWYの模倣に思えるほど突出した存在。原点はココです」
19840330 新宿LOFT
ryo
う~ん・・・