Sax-A-Go-Go / Candy Dulfer * 1993 BMG

できることならコノ人のサックスになりたいっとアホな妄想までしてしまった美人サックス・プレイヤー、キャンディー・ダルファー。登場したとき、マリリン・モンローみたいな出で立ちでファンキーなサックスを吹きまくるって図式が衝撃的で一発で虜になっちゃいました。当時、メイシオ・パーカーがファンク宣言をしJB'sの音も再評価されてた時期で、世の中のニーズもあったとはいえHip Hopさえも意識したサウンド構築には新鮮さも手伝って完全ノックアウト。どことなしにエロいところも◎です。
さて中身ですが何はともあれタイトル・トラック「Sax A Go-Go」です。もうクレイグ・マックやビギーとも激傑作を残し晩年のマイルス・デイヴィスとも仕事したイージー・モー・ビー手掛ける激ファンキーなアゲアゲナンバーですが、今聴いても意味も無く興奮するナイス・トラック。Rapも入った、Hip Hop時代を見据えたカッコええトラックはセンスの賜物で、今迄アダルトなイメージだったサックス・リーダー・アルバムの常識を覆すカッコ良さに溢れかえってます。そして興奮なのが師匠連中との共演。何とThe J.B.Horns (Maceo Parker, Pee Wee Ellis, Fred Wesley)が揃い踏みです。ゴキゲンな新旧ファンキーの競演が実現した「Jamming」も必聴のファンキーな一撃。またド頭の「2 Funky」ではベイエリアの風も感じる軽快な曲調の中、エミリオ・カスティーヨ率いるTower Of Powerのホーン軍団が参戦。相性抜群でバッチリ楽しませてくれます。カヴァーも秀逸で、しっかりハート鷲づかみです。アヴェレイジ・ホワイト・バンドの大ヒット「Pick Up The Pieces」に、Gene McDanielsのクラシック「Compared To What」もアシッド・ジャズ風にクールにきめ。言うこと無しのグルーヴィーさで、もうホントたまりまへん。他にもマーヴィンの70年代彷彿のミッドナイト・グルーヴ「Mister Marvin」などメロウで良いのもありますが、カッコええのはやはりファンキー・ナンバーで「Bob's Jazz」あたりは小気味よく絶妙のタンギングで昇天させてくれます。最後に収められたのは御大Prince書き下ろしのスロウ「Sunday Afternoon」でしっとり締め。余談ですがプリンスのバンドの加入依頼も断ったキャンディ嬢。変態に染まった彼女も見たかったですぅ。
「殆ど私と同じ歳でしっかり応援したいキャンディ嬢。まだまだブロウしまくっておくんなはれ~」
CANDY DULFER - SAX A GO GO
Candy Dulfer - Pick Up the Pieces
1-SHOW
大好きなんですよー