Past Masters Volume 2 / The Beatles * 1988 EMI


正直、ここまで盛り上がるとは思ってなかったビートルズのリマスター再発。別に発掘された未発表曲があるわけでもなし、音質改善ってことだけでバカ売れとは。恐るべしビートルズ人気です。今迄、発売されていたCDに大きな不満があるわけでもなく、最近では殆どi-podで聴いてる私としては音質のことなど語る資格などありませんが、これだけ盛り上がると流石に気になる小市民な私。それならっとシングル曲集のパスト・マスターズを聴いてみました。元々、ジョージ・マーティンの意向で「リスナーに無駄なお金を使わせてはいけない」と、シングルやEP盤はの曲は基本的にアルバムの曲とは別物としてイギリスでは考えられてた為に、アホほどヒットした名曲シングルもオリジナル・アルバム未収録が多い状態。そこでCD時代に登場したのが、このパストマスターズの2枚でした。今回の再発では2枚組で一緒くたで販売となりましたが、中後期のシングルをまとめたこの第2集も愛想の無いジャケながら殆どがマスト曲となる凄い構成です。
1曲目は66年の「Day Tripper」からで「We Can Work It Out」など初期の香り残るヒット曲が連なりますが、やはりイカついのは「Paperback Writer」。ポールのBassプレイも際立つ迫力のサウンドで、レコーディング・アーティストとしての色が濃くなってきた凝った音作りが目立ってきた時期の名作。そして68年以降はノリノリのブギウギピアノが素晴らしすぎる「Lady Madonna」、説明不要のスタンダード「Hey Jude」と続きますが、ド迫力の一撃「Revolution」はジョンの荒いVoに歪みまくりのGサウンドが何回聴いても斬新です。後半の解散直前の3枚のシングル+αは最も好きなところ。「Get Back (single version)」と、ジョンの大傑作バラード「Don't Let Me Down」はwith Billy Prestonと他のミュージシャンがクレジットされた唯一のシングル。それほど貢献度大であったビリーはソウルフルなエレピをプレイし、個人的にはビリーなしにはこの曲はありえんとまで思うナイス・サポートです。20枚目シングル「The Ballad Of John And Yoko」のB面でジョージ作品「Old Brown Shoe」もカッコ良さ満点でポールのぐいぐいBass&Pianoが光りまくり。そしてジョンの傑作「Across The Universe」の“バード・ヴァージョン”と呼ばれる最上質テイクを挟んで、現役最終シングルの感動大作「Let It Be」。ジョージが落ち着いたGソロを弾きなおしたシングルverで、ビリー・プレストンのオルガンやVoハーモニーも格別です。B面となったお遊び曲「You Know My Name」も前半の絶叫Voが何と言っても最高で外せません。67年録音のため、ストーンズのブライアン・ジョーンズもサックス参加です。
「2009年仕様となったビートルズ。臨場感が増した名曲群はやはりエヴァー・グリーンでした!」
We Can Work it Out
"Revolution"
ナルダン珈琲店主
毎度!!