Time / Electric Light Orchestra * 1981 Sony

何やかんやと黙ってTV見ててもBGMでしょっちゅう流れるE.L.O。それだけキャッチーで耳触りがいいんっすよね~。ザナドゥからRock'n Roll Is Kingまであたりは大好きで(っていうかそこしか知らん)、ついつい図書館にてボートラも入ったしってことで数十年ぶりに本作をレンタル。ここ数年、R&BとかHip Hopでもオートチューンなる新兵器によるロボット声が大流行だったので、ジェフ・リンのヴォコーダ声も新鮮です。当時はシンセサイザーもYMOのお陰で浸透してきて、何の違和感もなく聴いてましたが、後から色々聴いてみるとこの4~5年前の流行りの音楽と比べるとドえらい違いです。いち早くシンセを導入してヴォコーダーも駆使してたYMOとか、このELO、それにアースなんかのBlack勢は今もクールですが、Mr.ロボットとかはあんまり聴きたいとは思いません。血となり肉となる活用してた人等の音はやっぱ今もカッコええです。
ところで、王道アメリカン・ポップスの香りもするELO。イギリスのバンドやったんすな。元々7~8人おったバンドですが、弦楽器メンバーをシンセに置き換え4人で臨んだのが本作ってことです。ほんまの黄金期は70年代のオーケストラ・サウンドの時やったということですが、ここでのスリムになってのシンセを活用したブ厚いサウンドも超1級品です。ジェフ・リンの手腕で人間味もバッチリ。時間旅行をテーマにしたコンセプト・アルバムでして、ロイ・オービソンのようなロックン・ローラー声のジェフ・リンが冴えわたってます。なんといっても「Hold On Tight」です。昔は兄貴のレコードも他すっ飛ばしてコレばっか聴いてました。フィル・スペクター流儀のRock'n Rollながら、新しいサウンドも融合させた極上の逸品。そして次にリピート回数が多かったのがオープニングの「Twilight」。これもジェフのPopセンス爆裂の名曲で、分数コードも心地ええ大傑作。また今になって何とエエ曲やと感じたのがスロウ「Rain Is Falling」。さすが“テレフォン・ライン”を作ったメロディ・センス。シビれます。他にも、Be My Babyなドラムも胸キュンな「The Way Life's Meant To Be」、ニューウェーヴな香りもGooな「Here Is The News」など聴きどころ満載。ボートラも、どっしりロックな「The Bouncer」、ポップなセンス光る「Julie Don't Live Here」とアウトテイクとは思えんクオリティです。
「今も輝くスペイシーなスペクター・サウンド。心地よさ満点ですわ」
Electric Light Orchestra - Hold on Tight
Electric Light Orchestra - Twilight
ryo