Skin Tight / Ohio Players * 1974 Mercury

夏だ、ファンクだ、脱ぎたいぞ!(←意味不明)ってことで、やっとこさ長かった梅雨も明け、思わずまとわりつく服を脱ぎ捨てたくなる季節の到来です。ここはジャケからして1枚1枚素晴らしい肌露出系のエロ・アートで一世を風靡した、オハイオ・プレイヤーズです。同郷である80年代の灼熱ファンカー、ロジャーが常日頃から「すごい、すごい」と事あるたびにリスペクトの念を言葉にしていたバンドが、このバンドです。90年代にファンクが再び脚光を浴びた時に来日した際、チケット持ってたにも関わらず会場に仕事で遅れてしまい、ライブでは1曲しか聴けなかったという個人的には苦い思い出も。そんな彼等のエロすぎるジャケ(本作も中の見開きはスゴイ)と共に、内容充実なのが70年代のマーキュリー時代のアルバム達ですが、その第1弾となった記念すべき充実ファンク作がコレ。ドラムスにジェイムス・ウィリアムス、キーボードにビリー・ベックが加わり、彩りを増す中、しっかり球種も増やした黄金期の幕開けです。
なんやかんや言ってもオハイオ・ファンクで最高峰と言っていいのが、冒頭に登場する不朽の名作「Skin Tight」です。ベース抱えた日にはまず弾いてしまう気持ち良さ満開の大ヒットフレーズを軸に延々続くファンク道。もう理屈抜きにカッコええ8分間で、未練たらたらですがホントにライブで体感したかった曲です。G&Voの名物男シュガーフットことリロイ・ボナーも絶好調。ちなみにコンファンクシャンのマイケル・クーパーも後年ソロでバシッとキメてました。続いてタイトなバスドラ&ハイハット刻みからカッコええホーンセクションが合流する「Streakin' Cheek To Cheek」も実にクール。クール&ザ・ギャングも持ってたようなストリート感と洗練さのバランスが抜群です。ブルージーな感触も漂う「It's Your Night / Words Of Love」はシュガーフット大活躍のまったりソウルナンバー。このエロさこそ、オハイオ・プレイヤーズの真髄かもしれません。60年代、オハイオ・アンタッチャブルズとしてディープ・ソウルしてた頃の片鱗も感じさせます。シングルヒットもしたスロウ・ファンク「Jive Turkey」はクルセイダーズをエロくしたような絶妙な味加減でこれまた秀逸。そして「Heaven Must Be Like This」。幾分、ジャジーな雰囲気の中、清涼感も感じさせるまったりスロウでまさに天国気分。こちらはディアンジェロの秀逸カヴァーも存在です。最後は「Is Anybody Gonna Be Saved?」。ハンドクラップが効果的に決まるBPM遅めの腰にくるファンクでビシッときめてくれます。
「こういった大所帯グループが革新的グルーヴを生みだした70s。ええ仕事してまっせ!」
SKIN TIGHT
ナルダン珈琲店主
良いですなぁ