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音系戯言

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Love In Stereo / Rahsaan Patterson * 1999 MCA

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 ニュー・クラシック・ソウルとかネオ・ソウルって呼称で70年代の香りを漂わせたニュー・アーティストが続々と出てきたのが今から10数年前。常々i-podシャッフル状態で無茶苦茶な聴き方してる私が言うのもなんなのですが、商売人の端くれとして言うならば売る際の分類は極めて重要です。分類なくしてMD無しって思うくらい、商品計画や分析には大事な事なんです。トレンドに群がる模倣が、結果的にそのジャンルの商品の質や訴求力を高め、そして飽きられるってことの繰り返しが万物共通の流れ。かつて多く存在した音楽職人なんかも自分が好きな事をやってるだけなのに、急にそれがトレンドになったり、時代遅れになったりするってのがおもろいトコです。ディアンジェロやらから始まった、このネオ・ソウルなるジャンルの隆盛では、人力グルーヴ復活の中でHip-HopファンからベテランSoulファンまで支持を得たってのが痛快でした。これは商売にもしたくなります。そんな中、“本物”を正しく理解している演者はやはり強いです。流行りをなぞっただけの音は今聴くとしょーもなかったりしますが、このラサーンの音はソウルの本質をピシャリ押さえてますので、断然今も光輝いてます。
 さてこのラサーン氏。歌だけやなく、曲作り、アレンジまでやっちゃう才人。メジャーで出た2枚はどれも優秀ですが、この2ndも70's ニュー・ソウルのクールな部分をアップデイトさせた生音中心のめっちゃオシャレな音。当時聴きこんだエリック・べネイと並んで即お気に入りとなりました。前半からアーバンな香り漂う「Treat You Like A Queen」、エレピにオウン・コーラスが効いた「Sure Boy」と序盤から鼻が膨らむ展開ですが、注目は3曲目に登場する日本盤ボートラという「Digging Your Scene」。80年代軽薄の極みと思ってたブロウ・モンキーズのカヴァーですがこんなエエ曲やったけ!?と思ってしまった高品質さです。流石ラサーン。またショック&カーリンが手掛けた「Do You Feel The Way I Do」、ヴァン・ハントが絡んだブーツィをサンプリングしたクール・ミッド「The Moment」にスティーヴィー色濃い「Friend Of Mine」あたりも文句無し。ムーグベースの音がカッコええ「The Day」、生ホーンが絶妙な「Humor」などファンク魂もきっちり見せてくれてます。スロウでも表現力の豊かさに聴き惚れる「It's Alright Now」があったりで1曲1曲のクオリティが尋常じゃない高さで迫ってきます。後半戦も驚くほどのクオリティで、ライト感覚もたまらん「Any Other Love」、エレピ&ファルセットがぴしゃり決まる「Get Here」と極上グルーヴがびっしり。マジで色褪せることが無いと断言できる傑作アルバムです。
「ダニー・ハサウェイやスティーヴィーの偉大さを、再認識させてくれたラサーン。間違いなく天才です」

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