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音系戯言

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吠えるバラッド / 泉谷しげる * 1988 Victor

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 信頼できるロックン・ローラー、泉谷しげる。還暦を過ぎた現在も精力的な活動は頼もしい限りで、清志郎の貴重な同胞として今後もバリバリであってほしい人。このオッサンを知った80年代当時は俳優としての活躍も多く、正直どんなアーティストなんかもしっかり把握してませんでしたが、本作を引っ提げてシーンに乱入してきた時は強烈なインパクトでした。本作がまだ発売する前、なんかのバラエティ番組か何かにゲストで登場したのを偶然TVで見た時、1曲スタジオライブを演ったのがシングル曲「野生のバラッド」。The Rock Band (ex.アナーキー)をバックに最高のパフォーマンスを電波に乗っけた泉谷は、「このオッサン、口だけやないぞ」と感じ、マジで一発で気に入ってしまったほど。もう上手い下手を超越した次元で圧倒的に訴えかけるSomethingがそこには存在し、歌っているときの野獣のような“目つき”からして最高でした。そして、こっから何回目かの泉谷黄金期がスタートしたとされる記念すべき傑作がコチラ。熱きメッセージやシニカルな歌詞はいつの時代も不変ですが、ソロ・アーティストであるのでボブ・ディランやニール・ヤング同様アルバム毎に参加メンバーによって音や空気感は違ってます。でも昔からサウス・トゥ・サウスの面々やジョニー吉長のイエローなんかを起用してきたセンスの持ち主。本作では、後にLOSERへと発展する村上ポンタ秀一(Dr)、吉田健(b)、仲井戸麗市&下山淳(g)に加え、最高の相性で今も活動を共にするアナーキーの藤沼伸一(g)、泉谷自身がリスペクトしまくる忌野清志郎、Sion、仲野茂等も参加し大貢献です。
 さて中身は今も支持されまくる大傑作が2曲収録。冒頭の「長い友との始まりに」は迫力あるバンドサウンドと共に歌詞も絶品の1曲。U2のエッジとかが大成させたディレイを駆使した下山淳のサウンドは今聴くとちょっと時代も感じますが、新生泉谷の幕開けをアピールするには持ってこいのインパクトでした。そして今もステージのポイントで歌われる「野生のバラッド」は、意表を突いての街中雑踏アカペラ収録。正直、素晴らしすぎるバンド版を聴いてたので唖然でしたが、その「期待どおりにはいかんぞっ」っていうアナーキーな姿勢にまたもや惚れこみます。他にも野獣そのものの迫力の「のけものじみて」、クールなベース中心のアレンジも光る「TATOO」、レゲエ調の「あいまいな夜」、チャボのスライドも渋い「果てしなき欲望」、ふてぶてしくロックする秀作「終点」、デビュー時からの戦友“キヨシロー”との共演となる「あらゆる場面で」と充実しまくりの内容。テクニカルなCharにして「たまに泣かされるからムカつくけど大好き」と言わしめたオッサンだけあります。清志郎なき後もサンボマスターなんかと同列で、まだまだシーンをかき乱して欲しいです。
「清志郎の存在を生かしつづけるのが俺の役割と語った泉谷。頼もしきジジイです。」

野性のバラッド



長い友との始まりに 泉谷しげる with Loser


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