EPLP / RCサクセション * 1981 Kitty

お世話になった方にはちゃんと御礼を言わなくてはなりません。「ありがとう、清志郎!」と今更ながら大声で天に向かって叫びたい気分です。がん転移のNewsは聞かされてたものの、根拠のない思い込みで“この男は不死身である”と言い聞かせてきただけにショックです。どんなステージやレコーディングでも際立った個性とズバ抜けた才能で廻りの空気を一変させることのできる稀有な存在だった人です。RCでの活動が個人的には最も印象的だったのですが、近年の精力的なソロ活動もクオリティが高く、現役感バリバリの人だっただけに心底残念で惜しまれます。
この早すぎた死に際し、素晴らしき功績を振り返るのに真っ先に思い浮かんだのがRCがブレイクした頃の怒涛のシングル攻撃。メディアへの露出も頻繁になってきた頃で、曲の素晴らしさから“愛しあってるか~い”に代表される独特のMCまで子供心に強烈なインパクトを与えてくました。タモリのオールナイトニッポン占領ライブやファイティング80sでの斬新であったパフォーマンスはいまだに記憶に鮮明です。この頃のRCは何やかんや必ず音はGetしてました。名作をアホほど量産してプロアマ問わず影響力抜群の清志郎でしたが、金字塔ライブ「ラプソディー」とこの頃のシングル盤をそのまま収めた本作は基本中の基本となるモンスター級名作が目白押しです。中でも長年に渡って本人は勿論、数多の人に歌われ続けてきた超重要曲が2曲。まず清志郎の代名詞といえるのが「雨あがりの夜空に」。今まで聴いたことなかったダブル・ミー二ングを活かしたクールな詞、革新的なファッションに派手なステージングで日本のロックファン人口が急激に増えたのはコノ曲のお陰と言っても差支えない圧倒的なこの名曲は何度聴いても色褪せません。そして「トランジスタ・ラジオ」は一般的な部分でも知名度をグッと上げたこれまた大傑作。多くのティーンの共感を呼んだ素朴な歌詞に、スタックス・ソウルの空気を見事に融合させポップに仕上げた親しみやすいメロディは絶品で何百年も聴き継がれるべきものです。他にもブレイク前低迷期の佳作「わかってもらえるさ」、ラグタイム調が粋な「よごれた顔でこんにちわ」、スタジオ・ミュージシャンがバックながらRC流のファンキーが爆裂の「ステップ!」、斬新な新解釈にシビれた「上を向いて歩こう」、木村拓哉はじめコノ曲をフェイバリットに挙げる人も多い「君が僕を知ってる」、痛快な快楽主義傑作「キモちE」、労働者の気持ちを代弁し放送禁止になるも逆にそれが有力なプロモーションとなった「ボスしけてるぜ」、リンコとの共作でオーティス・レディング丸出しの「たとえばこんなラヴ・ソング」とキング清志郎列伝で外そうにも外せない名曲の嵐です。こうやって聴き返すと、突然の逝去はまだ全然受け入れられませんが、他を寄せつけないオーラは絶対的で今後もこの人を超える人は出てこないことは改めて再認識しました。
「チャボの横でジャンプしまくる姿が本当にカッコ良かった清志郎。絶対に忘れません。サンキュー!」
トランジスタ・ラジオ
君が僕を知ってる
雨上がりの夜空に
Substitute
絶句しました・・・