Sex And Singles / Roy C * 1994 P-Vine

むか~し深夜のTV番組でHソング特集をやってて、おもむろに流されたのがRoy Cの「After Loving You」。“ウッ~!アフタ~ラヴィンユ~♪”というフレーズを聴いて一発で気に入った人。数日後、CDを買いに行きましたがまるでCD化されておらず、「どういう、こっちゃ」とブツクサ言いながら、マーキュリーからのアルバムが安価であったのでアナログで買いました。暫くして最高のエロジャケにて、痒いところに手が届くP-Vineが出してくれたシングル集がコレでした。甘美なワン&オンリーの世界でイナたいソウルを創り続けた男です。セックスもソウルも知り尽くした男とよくわからんコピーが書かれた帯にもシビれましたが、エロくも包容力抜群の芸風はケーシー高峰に匹敵する素晴らしさです。
中身はデビューから自身のレーベル“アラガ”での録音曲を網羅。マーキュリーでの傑作「Sex & Soul」からも9曲収録されているシングル盤中心の日本編集です。デビュー・ヒットととなる、出来ちゃった婚を意味する「Shotgun Wedding」はモロ60’sソウルを感じるシャッフル調でなかなかですが本領発揮はその後。2曲目以降のアラガ時代はややモダンな風味も加わった完成形とも言えるロイ Cワールドが炸裂。サム・クック直系といえる得意のミディアム・スタイルは絶品で「In Divorce Court」に「I Don't Want To Worry」、「I Found A Man In My Bed」、「Got To Get Enough」と金太郎飴状態で最高です。また社会派の面もあって「I Wasn't There」や「We're On The Road To Hell」なんかではも曲調はそのままに黒人差別問題にも言及。「Those Days Are Gone」、「I'm Gonna Love Somebody Else's Woman」、「I Caught You In The Act」や、Linda Caverとのデュエット不倫ソング「Lonely I Was」なども快調そのものでワン・パターンの美学を教えてくれます。ホーンをアクセントに、鍵盤とギターを中心に組み立てたN.Y.ディープ・ソウルは何ともいえん味わいです。バラードも傑作としか言いようがない「I'm Falling In Love Again」、「I'll Never Leave You Lonely」とグラッチェ。球種は少ないながら楽天・岩隈なみの絶妙コントロールで琴線を刺激します。
「アメトークでエロ芸人特集やるならば、まず出て欲しい人。やっぱソウルはエロないと、あきまへん」
まり
ソウル「ハレンチ学園」かと思いきや