音系戯言

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Ali / Original Motion Picture Soundtrack * 2001 Interscope

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 わ~お!滝田洋二郎監督、祝アカデミー賞!その昔、ニューイヤーロックフェスに出していただいた時、我々を撮ってくれてたのは滝田監督でした。80年代はロマンポルノを撮ってはりましたが、裕也さんの「コミック雑誌なんかいらない」でグッと注目浴びた映画人です。そのライブの時も“顔ばっか撮る”といってたTV画像は何とも人間臭いカッコええものでした。いやぁこれは嬉しい。ちょっとした自慢ですわ!「おくりびと」も観なあきません。そんなことで、また映画音楽です。「蝶のように舞い、蜂のように刺す!」 この名フレーズで有名なアメリカのボクサー、カシアス・クレイことモハメド・アリの生涯を綴ったシカゴの社会派マイケル・マン監督の2001年作品“アリ”です。主役アリに最も稼ぐ男ウィル・スミスを据え、脇にもジェイミー・フォックス、ジェフリー・ライト等を置いた力作で、ビッグマウスのアリの内面をも描いた作品。ただ作品としては結構淡々と描かれ可もなく不可もなくって感じでしたが、マルコムXや公民権運動、ベトナム戦争の徴兵問題も同時に捉えた大国アメリカの時代背景も理解できる興味深いもんでした。しかしウィル・スミスの好演は光ります。フレッシュ・プリンスって名前でHip Hopやってた時からしたら、今や世界の大スター。たいしたもんです。ウィル・スミスの音は入ってませんが、サントラも半分が新曲の聴き応えある好盤でした。
 トップを飾るのはコンテポラリー・ゴスペルのようなR.Kelly 「The World's Greatest」。米国一のエロ・シンガーながら神聖なバラード歌わしても様になるのがコノ人の凄いところ。3曲目にも大作スロウ「Hold On」が収録で説得力抜群です。デビュー直後のAlicia Keysはオリジナル・アルバム未収録曲「Fight」が聴けます。コンガを効かせた力強い作品でこの頃から貫禄充分。しかし本作の一等賞はDr.Dreのお膝元シンガーだったTruth Hurtsのジェリー・バトラー名曲「For Your Precious Love」。ウェッサイなトラックで歌うイメージだったのに、このレトロなアレンジでの熱唱はホント驚きでこの姐ちゃんの実力に脱帽でした。ナイトクラブのシーンで本人が歌ったもので原曲に忠実ながらダイナミックに昇華させた見事な再演。また映画冒頭で強烈な印象だったサム・クックのハーレム・ライブの再現シーンを思い出させるDavid Elliotなるシンガーによる「Bring It Home To Me」はオヴェイションズ並みにそっくりに再演。コッチは明石家さんまが見たら“もうちょっとヒネりなさいっ”てっツッこまれるとこです。当時の新人Shawn Kaneって人のスロウ「Mistreated」はディープな唄いまわしがグッとくる力作。またマルコムXが暗殺されたシーンに印象的に流された「A Change Is Gonna Come」はAl Greenによる熱唱で聴き応えあり。バックにBooker T & The MGsを従えたライブ音源で収録です。既発曲も充実でAngie Stone 「20 Dollars」Bilal 「Sometimes」Aretha Franklin 「Ain't No Way」と新旧の名演が収録で、60~70年代を意識した作風や当時発表の作品でしっかり統一されてます。
「アトランタ五輪ではパーキンソン病と闘いながら見事聖火ランナーを務め、世界中の感動を誘ったアリ。偉大な男に相応しい良質サントラ!」

Comments 2

ピタ

Truth Hurtsって映画本編にも出てんですか?
「Addictive」のイメージが強かったので
「For Your Precious Love」での歌いっぷりは衝撃的でした!
Aliciaの「Fight」目当てでゲットしたものの
インパクトはTruth Hurtsの圧勝でした。

2009-02-25 (Wed) 20:46 | EDIT | REPLY |   

ezee

★ピタさん
 おっしゃるとおり。サントラでも映画でもTruth Hurtsのインパクトは強烈でした!
ほんのワンシーンでしたが、かなり印象的でございました。必見とはいいませんが、結構よくできてますヨ

2009-02-26 (Thu) 01:05 | EDIT | REPLY |   

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  • 2009.02.28 (Sat) 23:49 | Anonymous-source