Tell Mama / Etta James * 1968 Chess

オバマ大統領就任記念、シカゴ・チェス特集です。(あんまり深い意味無し) 本当にカッコええ録音てんこ盛りのチェス関連のソウルの中でもビッグ・ネームといえばやはりエタ・ジェイムス。微妙な肌の色や謎の多い出生も影響しドラッグ中毒になったりして、波乱万丈の人生を送ってきた人です。ビックリするほど太ってた近年ですがダイエットにも成功し、最近ではクリスティーナ・アギレラやビヨンセに取り上げられるなど若手からも絶大な賛辞が寄せられる偉大なシンガーです。生まれ故郷L.A.でのチェス以前50年代のパンチの効いたリズム&ブルースも迫力満点ですが、サザン・ソウル的サウンドでの傑作となると本作がまず思い浮かびます。堂々たる歌いっぷりは身震いするほどで、アラバマのマッスル・ショールズで録られたフェイム・サウンドとの相性の良さも光る大傑作です。
内容は冒頭2曲で失禁まちがい無しの超強力なディープソウルが炸裂。傑作ジャンプ・ナンバー「Tell Mama」に、ビヨンセも歌った涙無しには聴けない名バラード「I'd Rather Go Blind」(Fujiがオリジナル)の2曲は全国民がノックアウトされたと国勢調査でも実証済み(←ウソです)。 他にもリズム・ナンバーではドン・コヴェイ作の「Watch Dog」、貫禄バリバリのミディアム「Tha Same Rope」、ファンキーな「My Mother In Law」あたりも聴きもの。全盛期のフェイム・サウンドと共に絶好調って感じです。オーティスの「Security」に、ブルージーなジミー・ヒューズ「Steal Away」などのカヴァーも注目ですが、後半に鎮座するスロウ「It Hurts Me So Much」なんかは痛々しささえ感じる熱唱が聴けます。近年出たコンプリート盤とうたわれた増補改訂版はさらに興奮の10曲増加で、このフェイム・セッションがさらに聴けちゃいます。なんとアレサの「Do Right Woman, Do Right Man」のカヴァーの他、本編収録でも遜色なしと感じるリズム・ナンバー「You Took It」、ウィリー・ディクソンの「Fire」なども迫力満点。またジャジーに「Misty」を決めたりもしてますが、「I've Gone Too Far」やシングル曲「I Worship The Ground You Walk On」、「Almost Persuaded」あたりのスロウはやっぱ絶品で旧ヴァージョンの方は買い替えをオススメです。
「最近の急激な痩せすぎは少し気がかりすが、まだまだドスの効いた声できばってくだはい!」
Tell Mama
I'd Rather Go Blind
リュウ