A Christmas Gift For You from Phil Spector / Various Artists * 1963 Philles

いよいよクリスマス。美味いモン食うことくらいしか楽しみが無い今年のクリスマスですが、子供達はプレゼントがもらえるスペシャル・デイってな認識で勝手にあれやこれやと喚いております。今年は皆様、市況悪化もあって厳しいニュースが毎日流れる中、どうもラグジュアリーな方向を避けてらっしゃるようで、どうも私の仕事も盛り上がりません。耐えるときですが、新たな仕掛けも考えんとイカンなぁと思いつつ何の手も打ててない情けなさです。まぁ仕事場では無策なれど前向きにアホな事ばっか言って「危機感が無いっ」と非難浴びまくりですが、やっぱこの季節、ハッピーな気持ちになってたいもんです。最も幸福に満ちたクリスマス・ミュージックの究極盤といえば、フィル・スペクターのクリスマス・アルバム。言わずと知れた名盤中の名盤で、正直クリスマス以外でも聴いてますが、この躍動感溢れる“ウォール・オブ・サウンド”は何度聴いてもシビれます。奇跡の1枚といっても過言ではありません。
曲は殆どがスタンダードですが、見事にスペクター・マジックが施された彼の集大成ともいうべき内容。頭から夢見心地のサウンドに乗ってDarlene Loveが歌う「White Christmas」でマジ最高です。ヴェロニカの胸キュンヴォイス炸裂のThe Ronettes 「Frosty The Snowman」、ジャッキー・ウィルソンばりの突き抜けヴォイスに胸高揚するBob B. Soxx & the Blue Jeansの「The Bells Of St. Mary's」と最高すぎる展開ですが、とどめはThe Crystalsの「Santa Claus Is Coming To Town」。馴染みの定番曲が原型の良さを崩さずに、最上級のポップスに見事に昇華してます。余談ですがクリスタルズの曲はギャルバンに加われるっていう理由だけで、昔必死でコピーした思い出深い曲でもあります。中盤以降もヴェロニカが可愛いすぎるThe Ronettes 「I Saw Mommy Kissing Santa Claus」、The Crystals 「Rudolph The Red-Nosed Reindeer」と日本でも有名なクリスマス・ソングが登場ですが、ハイライトは唯一のオリジナル曲でDarlene Loveがソウルフルに歌い上げる「Christmas (Baby Please Come Home)」。素晴らしすぎて、シャンパンの涙が出ます。しかし名作の陰でアレンジャーのジャック・二ッチェやラリー・レヴィンはスペクターの理想を具現化するのにさぞかし大変だったと思いますが、ここまで完璧なアルバムはそうそうありません。皆が目指した、ロック&ポップスの理想形がココにあります。
「魅惑の音の洪水。エンドレス・リピートで聴いて、ひたすら快感に浸りたい不朽の定番。」
The Ronettes - Frosty The Snowman
Substitute