
関西ミュージック・シーンの誇りであるサウス・トゥ・サウス、そして燦然と輝く数少ない関連音源。中でも屈指の名盤として今も売れ続けるのが「ぼちぼちいこか」です。関西以外の人からしたら全部一緒かもしれませんが、本当の関西弁のイントネーションまで歌に取り入れたストリート・ソングはこの「ぼちぼちいこか」以上のものはいまだに聴いたことが無いです。普通は歌にするとやや強引に関西弁の良さを捻じ曲げてメロディに乗せがちなところを、まず関西弁ありきで歌メロを組み立てたような曲がずらり並んだ魅力的な音楽でした。そやから余計とリアルに迫ります。他の関西弁もどきの歌とは段違いです。カッコええ音楽は標準語か英語でせなイカんっていう、それまで持ってた概念はもろくも崩れ去りました。10年くらい前に二人(サウス)のライブはちょこちょこ見てましたが最近ご無沙汰だったので、この再タッグは嬉しいニュースです。道頓堀のくいだおれ閉店に際し、ニューレコーディングまでした「有山じゅんじと上田正樹」。嬉しいやおまへんか。
注目の中身は往年の名盤からの再録音5曲+新曲1曲。旧曲は今の時代にも響くモノ中心のチョイスだそうで、ラフな録音ながらライブに近いリラックスしたその演奏はなかなかエエ感じです。正直この二人に関しては盲目的にファンですので、何をやってもオールOKです。ドラムスもキー坊曰く「日本一のドラムや」とする、サウスの正木五郎っていうのが最高です。頭は道頓堀でPVも録られた「
俺の借金全部でなんぼや」。サウスのメンバー全員が名前入りで登場し、借金の貸し借りがワケわからんようになるとこが小気味良く歌われ痛快です。そして大傑作「
梅田からナンバまで」はややテンポを落とした感じがまたエエ感じ。有山氏の温かい声が心に染みわたります。キー坊のフェイクもシビれる「
あこがれの北新地」は、オリジナルよりさらにアーシーな感じに。「
買い物にでも行きまへんか」は当時の録音同様、金子マリもコーラスで華を添えます。いつも通る道具屋筋もイカした町並みに見えてきます。「
なつかしの道頓堀」も有山のほんわかムードが醸し出たヴォーカルと泥臭いキー坊の掛け合いが絶妙です。また新曲となる「
ぼちぼちいこか」は有山氏の温かいギターも光る佳曲です。以前、何かの番組で昔とすっかり変わってしまった道頓堀界隈を歩いて嘆いていたキー坊ですが、ここではややノスタルジックに古き良き街並みを思い出すように歌いあげます。そして再認識したのは、このコンビ芸は絶品であるということ。それぞれのソロ活動も素晴らしいですが、サウスの面々が集結した時の得体のしれん凄まじきパワーをまた体感したくなりました。やはり野次が飛び交うライブ中で、口ごたえしつつ喜んでるキー坊がまた見たいです。
「よくぞ出してくれました。食いだおれに思い入れはありませんが、キッカケとなった太郎には感謝です!」