The Hoople / Mott The Hoople * 1974 CBS

今年、再結成が話題のモット・ザ・フープル。まったくお恥ずかしい話ですが、この人達って「すべての若き野郎ども」の1発屋やと思ってました。色んな記事を見て、他にも良さげな名録音をいっぱい残してるってのを知ってまたもや図書館でお借りした本作。「すべての若き~」で見られるようなイアン・ハンターのボブ・ディラン直系のドラマティックな歌がやはり聴きどころでしたが、70年代ロック特有のダイナミックな質感がヒシヒシ感じられる演奏もなかなかの快感です。フレディ・マーキュリーの追悼コンサートでイアン・ハンター、デヴィッド・ボウィと演ってたのでミック・ロンソンも主要メンバーやと思って聴いたのですが、これも末期の僅かの在籍メンバーってことでほんま無知丸出しです。しかしながらイアン・ハンター全盛時を伝える本作はロックの良心を確実に伝えてくれる名作の名に恥じないモノでございました。
さて中身はド頭の「The Golden Age Of Rock'n Roll」でいきなり昇天間違いなしのカッコ良さ。ピアノにホーンも効かせたぶ厚いサウンドにワイルドなイアンのヴォーカルが炸裂。「ロックって、こうやんにゃ」とでも言うかの如く、理屈抜きにシビれるサウンドに降参です。「Alice」なんかもイアンの味わい深い歌にモーガン・フィッシャーの力強いピアノが冴え渡る劇的な逸品で、フェイセズなんかにも通じる少しルーズ気味なロックンロールは実に魅力的に響きます。ストレートに押しまくる「Born Late '58」や、ちょっぴり切なくも派手に最期を飾る「Roll Away The Stone」など惚れぼれする独特の世界観もしっかり提示。この頃のイアン・ハンターの曲作りがいかに冴えてたかがよ~く分かる傑作多数収録です。他にもドラマチックな「Pearl 'n' Roy」や「Through The Looking Glass」などの佳作も散りばめられホントよくまとまったアルバムやと感心です。本編終了後はボートラ3曲で、しっとり聴かすスロウのシングルB面曲「Rest In Peace」、シングル曲でイアン・ハンターもフィル・スペクター好きだったのがよく分かるロネッツ的な香り満開の「Foxy Foxy」とここらもクオリティ高し。
「とにかく音量を上げれば上げるほど興奮すること間違いなしのロックン・ロール黄金時代、ココにあり」
The Golden Age Of Rock 'N' Roll
Roll Away The Stone
ryo
再結成