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音系戯言

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Denials Delusions And Decisions / Jaguar Wright * 2002 MCA

jaguar wright



 「噛み付かれっぱなし」。ほんと私好みのコピーで6年前にデビューしたジャグアー嬢ですが、メチャメチャ良質の2ndを残してしばらく音沙汰無しでした。でも直近のアル・グリーン大師匠の新作バック・コーラスでクレジットを発見。「生きとったんや」と嬉しく思いました。しかし素晴らしすぎるアル先生の新作は、クエスト・ラブやジェイムス・ポイザー等のフィラデルフィア周辺の才人の音を久々に無性に聴きたくさせてくれました。こんな狭い日本でも関西勢と東京の人等で音楽のアプローチも違ったりしますが、さすがアメリカはデカいだけあります。N.Y.と西海岸だけでなくフィリー、シカゴ、アトランタ、ニューオリンズと各々の土地で番長格の才能溢れる人等がおって、それぞれに地域性もあって実におもろいです。90年代後半から盛り上がったオーガニックなソウルでは、割とフィリー勢なんか中心的役割を担ってたような感もありThe RootsやらFloetryやらJill Scottとか要注目の人等がワンサカです。このフィリーの女獣ジャグアー嬢の1stもアル先生の新作をお膳立てした面々が制作した良盤でした。この頃、既に熟成期に突入していたオールド・ソウルと今の音との融合もあり、古臭くなりすぎずヒップな感触で楽しめます。
 中身はスコット・ストーチ&リチャード・ニコルズの制作曲でクエスト・ラブもタイトなビートを刻む「The What If's」でスタート。ゆるいファンクっぽい中で、ジャグアー堂々の歌唱で迫ります。前半戦では女の子らしい可愛さを見せるわりとキュート系R&B曲「Stay」なんかもありますが、ラリー・ゴールドの弦アレンジもキラリと光るパティ・ラベルのカヴァー「Love Need And Want You」のスムース・グルーヴな展開はなかなかです。次の「Same Shit Different Day Pt.1」では往年のスタックス・サウンドを彷彿させるアーシーさがたまりません。Dr.DreがやるようなP-Funk経由のHip-Hopテイストの「Ain't Nobody Playin'」ではBlack Thoughtが途中カッコ良くライミング。またジェイムス・ポイザーのエエ感じのエレピ・サウンドに乗って淡々と進む中、ジャグアー嬢がしっかり強弱をつける「Lineage」や、同郷Bilal参戦のプリンス系密室ファンク「I Can't Wait」なんかも秀逸。次の力作2ndへの布石となる充実デビュー盤ですわ。
「みかんやリンゴと一緒で産地は大事。フィリーから、また噛み付きに来ておくりゃす。」



Love, Need & Want You

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