

人間、見た目で判断したらあきません。最初、評判を呼んだ時も、ピアスにタトゥー入れまくりで安もんのB級パンクの姐ちゃんかと思いました。暫くしてゴーストフェイスキラーのMore Fishに収録された彼女の声を聴いて一気に気になる存在に。あれよあれよと言ってる間にグラミー・アーティストとまでなったエイミー嬢でございます。その大ブレイクとなった2ndですが彼女のビリー・ホリデーやダイナ・ワシントンなどのJazzyなルーツと、60年代アーリーソウル趣味が見事にブレンドされた大傑作であることは、もはや言わずもがな。本アルバムでエイミー嬢の歌唱と同等に凄いのは全体の音作りです。ベイビー・ワシントンやアーマ・トーマスの初期アーリーソウルの音や、'60s Motownのあのサウンドの雰囲気をHipに再現。エイミー嬢のブルージーな資質を活かしつつ、フージーズやナズ等を手掛けたサラーム・レミや、メイシー・グレイ等を手掛けたマーク・ロンソンが今の空気を吸った最高のヴィンテージ・ソウルに見事仕上げてます。ロンドン出身のエイミー嬢ですが二人のアメリカHip Hop、R&Bプロデューサーによって、アメリカン・ルーツ・ミュージックを今に見事昇華させてくれてます。
中身はヒット曲「
Rehab」でスタート。実体験でのアル中のリハビリで、「施設に入るくらいならレイ・チャールズやダニー・ハザウェイを聴いた方がマシ」と言ってのける歌詞が痛快です。続く「
You Know I'm No Good」は前述のゴーストフェイスも取り上げた曲で、ウータン好みのザラついたサウンドに乗っかるジャジーなエイミー嬢が渋すぎです。次の「
Me & Mr Jones」もゆったりスウィングするビッグ・バンドにエラ・フィツジェラルドの如く絡むエイミー嬢がカッコよすぎる好曲。中盤からはアーリー・ソウル・スタイル満開です。実はあのアイシャドーもロネッツ好きからきてるそうで、そのガール・グループ好きも伺える「
Back To Back」、モロ60'sソウルを想起させる切なさがたまらん「
Love Is Losing Game」、マーヴィン&タミーのクラシック「Ain't No Mountain〜」の改作「
Tears Dry On Their Own」、必殺のハチロク・バラード「
Wake Up Alone」と実にシビれる流れ。元々の本編最後の「
He Can Only Hold Her」もインプレッションズ風シカゴ・サウンドで素晴らしいですが、次からのボートラも無視できない傑作の嵐。フォートップス風ビートがエエ感じの「
Addicted」、ウッドベースが肝の極めてHip Hop的な「
Close To Front」、スカ・ビートにも豪快に乗る「
Monkey Man」に相性抜群の
Ghostface Killer参戦版「
You Know I'm No Good」とグレイトとしか言いようの無いトラックの連打です。今なら絶対ボートラ入りがお薦めです。
「ローリン・ヒルあたりに演って欲しかったスタイルをU.K.からブチかましたエイミー嬢。スランプ無しでドンドン頼んまっせ!」