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音系戯言

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MYRON & THE WORKS / Myron * 2008 P-Vine

myron  the woks



 ベッドに寝そべったデビューアルバム(←激グレイト!)から知らん間に10年も経過したマイロンさん。あまりに処女作が良かったのでレーベル閉鎖での不運なマイナー落ちなど「あぁ、もったいない」と落胆でした。でもその後、密かにヒドゥン・ビーチ・コンピでの登場などに小躍りして喜んでましたが、近年はまたメジャーやないですが頑張ってはります。今回は時代に逆行するかの如く“生バンド一発録り”を重視したバンド形態での新作。プロ・トゥールズ使用が当たり前の現在、あえて切り貼りや手直しを極力避け、「せーのっ」で録った音でしか成し得ない偶然のマジックを重視した新作。そのメンバーはミシェル・ンデゲオチェロ(B)、チャールズ・ヘイン(Dr)にブルー・ノートのロバート・グラスパー(p)と名手が参加。今回の録音でマイロンの「もっかい録らせてっ」てお願いも却下し2回目のテイクまでを採用したという初動テイク重視で収められた楽曲は全てにおいて奏功しており、見事に人間グルーヴ抽出に成功。自分もバンドでよく経験した「演れば演るほど、しょーもなくなっていく」という過程を排除した方法論は見事に音に開花しています。ダニー・ハサウェイやスティーヴィーが築いた’70s SoulにHip HopやJazzyな質感も加えたCool極まりない音構築は全編で貫かれており正直シビれまくりです。
 アルバムは最近では珍しいともいえる生ドラムのカウントからスタートする「Star」でスタート。Popには程遠いDeepでJazzyなファンク・アプローチに思わず歓喜。ライブ感溢れる生演奏がいきなり味わえます。続く「Best Is Yet To Come」も淡々と進む進行に浮遊感を伴うエレピがたまらん好作。優しく美しい「Beautiful Love」、自分をリスペクトすることで最高の未来があるとポジティヴに歌われる詞が最高の「Message」と肩の力を抜いた装飾なき素晴らしいバンド・サウンドを提示。中盤も「ワシら、勝手にやってまっさかいに」と涼しい顔して高度なジャム・セッションを展開するとこもたまらん「Relax」、アコギの音にストリングスも絶妙な最も親しみやすいメロを持った極上ラブソング「That's How I Know」と絶妙の流れ。そしてディアンジェロを彷彿させるズブズブ・スロウ・ファンク「Ball Of Clay」、子宮の中を泳いでるような感覚になる「You Are」から最後を飾るミシェルのベースがセンス抜群の「No More War」までヒューマン・グルーヴが堪能できます。特筆すべきはミシェルのスライ後期のような間と休符を重視したファンクなベース・ラインで、激Coolな空間を構築する立役者ともなっています。
「忘れかけてた真のグルーヴを現在に問いかける大傑作。30年経っても聴けそうです」
Best Is Yet To Come


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