
ベストと共に調子に乗って「コステロをちゃんと聴くぞ」と意気揚揚に借りた編集盤。(←コンピの時点でOutか) 様々なジャンルで活躍するエルヴィス・コステロですが、「やっぱルーツはロックンローラーやで」って部分にスポットを当てて選曲されたもんです。同時に組まれた表ベスト盤同様、過去の音源がHip-O傘下に移って出されたもの。ここではジャムとかクラッシュとかに負けないパワー全開の曲が、アトラクションズとの合作中心にチョイスされてます。いまやバート・バカラックとまで共演を果たす、大人のミュージシャンのイメージですが荒々しくロッキンするコステロも実に魅力的です。初期の一体感あるバンド・サウンドは今のコステロには求めえないサウンドで、突き抜け感抜群のその音は小編成バンドの見本ともいえる絶妙のアンサンブルでカッコ良さ満載です。
ド頭は疾走感が凄い「
Lipstick Vogue」。ブルース・トーマスの激しいベースや、コステロの掻き鳴らすギターも最高ですが、続いて収録の「
No Action」がさらに上をいく傑作。激しく忙しないドラムスが興奮を誘う初期コステロのパンク魂を象徴した曲で、昔聴いた時も一発で気に入ったブッ飛びナンバー。ロックンロール的秀作の2nd「This Years Model」セッションからは他にも「
This Year's Girl」に「
Chelsea」、「
Pump It Up」と6曲も収録。中でもクラッシュのミック・ジョーンズが参加の「
Big Tears」は熱いコステロVoも聴きもののアルバム未収録曲。そんなシングル・オンリー曲の激しい曲も多く収録で、ストレイ・キャッツとも縁深いデイヴ・エドモンズ参加の「
Clean Money」、スペンサー・ディヴィス・グループをパンク化したような「
Wednesday Weak」あたりたまらん出来です。中盤の注目曲ははじけまくりのライヴ音源「
Mystery Dance」、「
You Belong To Me」に、ニック・ロウの大傑作「
Peace, Love And Understanding」、ボ・ディドレー風に迫る「
Lover's Walk」。この辺の尖がっててもPopな感覚はコステロならではで実にCool。後半は内省的な内容が続いていた80年代に突如アトラクションズと再タッグで出した攻撃的ナンバーが集積。中でもアルバム「Blood and Chocolate」からの「
I Hope You're Happy Now」や同アルバム未発表テイク「
Honey Are You Straight Or Are You Blind」は初期の攻撃的演奏が戻っていて最高です。そして最後はなんと1stからの「
Welcome To The Working Week」のギター1本デモヴァージョンで締め。
「コステロ師匠、もっぺん腹引っ込めてロケンローといきましょうや」