Boomerang / Original Soundtrack Album * 1992 LaFace

最近では映画「ドリーム・ガールズ」で見事な脇役を演じていたエディ・マーフィー。快進撃を続けた80~90年代に出演したブラック・ムーヴィーの一つがこの「ブーメラン」で本作でも主役です。当時、スパイク・リーとかの功績でCoolな音楽が良い映画の必須条件になったような流れもあって90年代は怒涛のサントラ攻撃が開始されました。そんな中で本盤も優秀なサントラとしてリリースです。結果、趣向を凝らした企画盤的サントラが量産されリスナーは、そのブームのお陰で大変恩恵に被れた感があります。色んなアーティストの異色のコラボが実現したり、実力ある新人アーティストがそっから出てきたり、お遊びで大物アーティストがカヴァー曲を演ったりと映画そっちのけでサントラ独り歩き状態ってな感もありましたが、これはこれで楽しい企画盤として成立してました。そんな90年代サントラ天国の初期を彩った1枚がこれです。
ど頭を飾るのはBabyface feat. Toni Braxton 「Give U My Heart」。今や古くさいビートかもしれませんが、魅力的なカッコええグルーヴであることは今も不変。後にフェロモン女王で時代を駆け抜けたトニ嬢がまだ短髪ボーイッシュスタイルだった頃の瑞々しい低音ヴォイスもグレイトです。師弟競演となったGuyのAaron HallとGap BandのCharlie Wilsonの「It's Gonna Be Alright」は火花散る熱い対決が聴きもの。続くKeith Washigton 「Tonight Is Right」はダンディなアーバン・スロウでこってりと迫ります。いかついマッチョなおばはん女優Grace Jones 「7 Day Weekend」などはダラス・オースティンがプロデュースするメチャかっこええダンス・ナンバーですが、この人なんか音楽として聴く気などサラサラ無かったので大収穫です。そして特筆すべきは全てはココから始まったBoyz Ⅱ Men 「End Of The Road」です。言わずもがなの特大ヒット・バラードで、この1曲で音楽史に確実に名を残すこととなった名曲です。聴きすぎて飽きてしまいましたが、エエ曲であることは今も疑う余地無しで、こっからアカペラ・ブームやら男性Voグループ続々登場となったエポック・メイキング的傑作です。TLCからBaby Face、Toni Braxton、Damian DameとLaFaceファミリー総出演のThe LaFace Cartel 「Reversal Of A Dog」はサントラならではの企画もんですが、TLC(Left-Eye)の弾けっぷりは最高でコレ聴くためだけでも本アルバムは価値はあります。後半にも濃い歌唱ながらN.E.組では一番の歌い手Johnny Gill 「There U Go」など注目曲収録ですが、素晴らしいのはShanice嬢の「Don't Wanna Love You」。当時、I Love Youre Smileで我が国でも人気急上昇でしたがココではアルバムにも入ってなかったL.A.&Babyfaceのキャッチーなポップ・ダンス曲が収録。Cuteな歌がたまりまへん。最後はA Tribe Called Questの激CoolなHip-Hopナンバー「Hot Sex」で締めですが、やはりこの頃のATCQは神がかり的にイカしてます。
「今やうまい棒より安く買える本作。当時スルーした人もぜひ!」
Toni Braxton Feat. BabyFace -Give U My Heart
Boyz II Men (End of the Road)
七星
はじめまして♪