Don't Look Back / Al Green * 1993 BMG

90's Male R&B
dont Look back

 長年、ゴスペル界に身を置いていたアル・グリーン大先生が’93年突如として世俗音楽R&Bとして発表し、ソウル・フリークを興奮の坩堝へと導いた劇的な名作。ちょうどその頃、N.Y.アポロ・シアターHall Of Fameの公演でTeddy Pendergrass、Brian McKnight、Chuck Jackson、Ben.E.Kingと共に登場し各人が代表曲を披露するコーナーで名曲「Let's Stay Together」を劇唱で会場を熱狂させ、その後に歌うテディペンが可哀そうなくらいの盛り上がりを見せてくれたアル。先輩に借りたそのWow Wowでの中継録画はマジで800回は観た感動的なパフォーマンスでした。大学当時に70年代ハイ・サウンドの素晴らしさに触れ殆どの作品を聴き漁りましたが、すでに当時はその全盛期を聴いた後では少し物足りないゴスペル作品をチョコチョコ発表する活動であったので、そのアポロ・ライブは再び熱いアル先生が復活するかもと直感的に感じさせる悶絶のものでした。そしてその直後、90年前後から接近しつつあったN.Y.Hip Hop界のアーサー・ベイカーやUKソウルのファイン・ヤング・カニバルズらがお膳立てした、ハイでの「トゥルース・ン・タイム」以来15年ぶりとなるこの“ソウル・アルバム”の登場です。購入した四条河原町から家までスキップして帰りたいほど大喜びでした。
 本作で何より嬉しかったのは他のベテランがよくやる単なる昔をなぞった懐古的なものに終始するのではなく「90年型ハイ・サウンド」をブツけてきた事です。制作に関わったUKソウル勢のアル先生へのリスペクトも充分に感じられる1曲目のミディアム「Best Love」から合格~っ!と叫びたくなる出来で興奮です。息つく暇なく大傑作グルーヴィー・ナンバー「Love Is A Beautiful Thing」の登場です。チャールズ&エディのカヴァーですが力強くソウル回帰を宣言するような素晴らしい熱唱で、終盤に登場する往年のヒット曲(Let's Stay Together、I'm Still In Love With You、Call Me、Tired Of Being Aloneなど)のさりげない挿入も大感激でした。また間違いなく中盤のハイライトとなるアップデイト版ハイ・サウンドが劇的に素晴らしいスロウ「Keep On Pushing Love」も涙モンの出来です。ウィスパー&ストロングヴォイスの使い分けも最高な「Give It Everything」に、アレンジは平凡ながら溌剌とした歌唱に得意技「突然ファルセット」も冴えるTemps名曲カヴァー「Don't Look Back」も思わずニヤけてまう出来の良さ。他にも、冴えわたる先生の曲作りも光る名スロウ「You Are My Everything」やファンキーな「Waiting On You」など凡庸の若手を一瞬でブッ飛ばす力作の嵐に敬服。その後のデヴァンテ・スウィングやベイビーフェイスとのコラボの布石となった渾身のアルバム。コレからもう10年以上経って、更なる御活躍のアル先生に脱帽です。
「ブルー・ノートでの本格復活の前に本作あり。こっからのソウル復帰がホンマです」
Love Is A Beautiful Thing


Let's stay together 1993 Apollo Live


テーマ: 洋楽CDレビュー | ジャンル: 音楽

Lay It Down / Al Green * 2008 Blue Note | Home | The Lost Soul Gems / Various Artists * 2008 Sony

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