
現行R&Bの夜明けの頃、彗星のように現れたアン・ヴォーグ。彼女らが私の女性グループ好きに拍車をかけたのは紛れもない事実で、全ての条件が重なったタイミングで出たマイルストーン的アルバム。まずプリンスやロジャー、フルフォースの尽力で打ち込みの音やHip Hop的手法もこなれてきて耳触りの良いものが増えた。T.ライリーのニュージャックスイング登場でビートが格段にカッコよくなった。そしてコレが出るちょっと前くらいからバイ・オール・ミーンズやらもレトロ・ヌーヴォ的秀作を出していて、先進性とオールド・スクールの熱い魂の両面を持った現在進行形のR&Bを聴きたいって欲求が我がの中で一気に高まってきたってことです。たまたまオールド・ソウルにのめり込みつつあった私は、大好きだったミラクルズのWho's Loving Youをアカペラで唄い、J.B.のThe Paybackをサンプリングしたアン・ヴォーグの音に一気に惹かれました。何より歌が上手いってことに加えスタイル抜群の美人グループであったことが、私含む万人にアピール。しかもプロデューサーであるフォスター&マッケルロイのサウンドがまた素晴らしく、NJS通過後のCoolな音構築には完全虜になり彼等の関係するものは全て聴きたいとまで思った程、惚れこみました。正直、今聴くとちょっと古さも感じますが、その後のSWV、TLCやデスチャまで影響を与えたと思われる現代ガール・グループR&Bのお手本になったというべき記念すべき1stです。オールドソウルの香りも加えたF&Mの手法は称賛すべきグッジョブで、老若男女すべてを味方にした感がありました。
イントロ・スキット「
Party」から続く冒頭の「
Strange」はアカペラ・ハーモニーから始まりHip Hop的にラップも盛り込んだグループの本質を見事に提示した象徴的作品。しかし本領発揮となるのはNJ以降のR&B黄金時代のド真ん中をいく傑作「
Lies」で、最高としか言いようのない激素晴らしいリズム・ナンバー。1930年代から活躍したガール・グループ元祖アンドリュース・シスターズの「
Boogie Woogie Bugle Boy」を敬意を持ってアップデイト・カヴァーした後は、前述のスモーキーの名曲を再利用したHip Hop的楽曲「
Hold On」で彼女達の1stヒットともなった記念すべきナンバー。他にも、オケヒットなど今ではうるさく感じるアレンジながら曲は今もカッコええ「
You Don't Have To Waorry」、聴き惚れること間違いなしのナタリー・コールの名カヴァー「
Just Can't Stay Away」、どっしりとしたビートで華麗に決める「
Don't Go」、クワイエット・ストームの残り香みたいなラストの「
Watin' On You」など後半も聴かせどころバッチリ。武器となるポインター・シスターズを彷彿させる美しくJazzyなコーラスワークは「ココでハモるか〜?」みたいな難所でもバシバシとハーモニー多用で彼女等のテクも抜群であることを随所で確認できます。この後の2ndはさらに素晴らしくえらいこっちゃ的展開に。
「上手い・熱い・美人と吉野家なみに3拍子揃った逸材。今も美形歌手ローナ加入で現役ですぅ!」