Otis Blue / Otis Redding * 1965 Volt

Mr.Pitifulことオーティス・レディングの名作がデラックス・リマスター版となって再発されました。3枚目となる本作は、あちこちで名盤やと言われてる有名作ですが、正直オーティスっていえば2rd~4thあたりまでどれも甲乙つけ難い名作オンパレードでどれも必聴の傑作揃い踏みでどれ買っても外れ無しと断言できます。でも一番の有名曲収録となるとやはり本作。以前から代表作リズム・ナンバー「Respect」などオムニバス盤とLPと歌い方が違うのがあるなぁと思ってましたが、この再発で疑問解消です。本作からメンフィスのインディ・スタックスにも技術革新の波が押し寄せステレオ録音が導入されることとなり、曲によってはモノ(シングル)&ステレオの2ヴァージョンが録られたってことでした。しょーもない事かも知れませんがエエ曲ほど色んなテイクを聴きたいって思うのがファン心理でございまして、晴れて本作関連の曲がライブ含め集大成となって発売され思わず万歳三唱です。細かいことは抜きにしても、驚くべきはこの貫禄充分の歌声が収録されたのが24歳であったってこと。もうベテランのオーラでガッタガッタ迫る様は圧巻です。
本編は名作の嵐ですがオーティスのアルバムでいっつもヤラれるのは、1曲目にメガトン級の激名スロウが配置されてることです。ここでは必殺の「Ole Man Trouble」がどーんっと鎮座。その後、派手に「Respect」が登場する仕組み。何回聴いてもシビれる展開ですが、素朴で力強いブッカーT&The MG'sの演奏も実によくマッチしてます。いらんことせえへんバッキングの見本みたいな伴奏で、素晴らしく歌を引き立ててます。そして本作用に用意されたオリジナルではサザンソウルの金字塔的バラード「I've Been Loving You Too Long」も収録と本作の価値をグッと高めます。また毎回登場するカヴァーでは敬愛するサム・クックで「Change Gonna Come」、「Shake」、「Wonderful World」、テンプスの「My Girl」、ソロモン・バークの「Down In The Valley」、ストーンズの「Satisfacion」、そしてスタックスの先輩ウィリアム・ベルの「You Don't Miss Your Water」とどれもオーティスのオリジナルとして聴ける独自の解釈でオリジナル比較して云々する必要まったくなしの素晴らしさ。ちょっと異色ですがB.B. Kingのブルース「Rock Me Baby」もありますがアルバム中は良いアクセントになってます。全曲アル・ジャクソンのタイトなドラムを軸にソウルかくあるべしみたいな名演が津波のように押し寄せます。通常版でも充分、楽しめますがDX版ではテイク違い含むモノ&ステレオ全曲収録に加え、ライブアルバム「Whisky A Go Go」と「Live In Europe」の本作収録曲や本作同時期セッションの「I'm Depending On You」、「Any Ole Way」、1967年版超高速「Respect」収録など凝りまくりの内容。独特の譜割りと声質で新境地を開いたオーティスの凄さが堪能できます。
「凡庸の歌手と格の違いをまざまざと見せつける、ビッグO。太く短く生きた男の生き様がココにあり」
Mr.Pitiful
中途半端・・・(^_^;)