Power Of A Woman / Eternal * 1995 EMI

アン・ヴォーグやSWVの成功を受け、アホほど登場した90年代のR&Bガール・グループ。まさに選り取り見取り状態で男性R&Bファンは手放しで大喜び状態でした。聴いてよし、見てよしとなれば言うことございません。当初4人組だったエターナルも一人抜け、二人抜けと最後には姉妹デュオとなってましたが言うなれば3人組時代の秀作がコチラです。ニュージャック以降に急速に成熟したR&B界においてU.K.発ながら本場U.S.産と何ら遜色ないクオリティの作品を送り込んでいたガール・グループですが、発売から10年も過ぎよっぽど需要が無くなったのか、缶ジュース価格で引き出せる私の家外CD棚でもある優秀レンタル店より安い価格でバンバン叩き売ってたので即購入。i-pod以降昔録ったMDも邪魔者扱いですので丁度ええタイミングです。デビュー時からグレン・ジョーンズの名曲Stayなんか取り上げてたもんですから否応なしに皆が注目した、なかなかの実力派美人グループです。
アルバムは結構ヒットしたと記憶するスウェイビート傑作「Power Of A Woman」から勢いよくスタート。もうイケイケです。この曲を含む馴染みのロンドン制作陣で録られた曲は「Hurry Up」や「Who Are You」、「Up To You」なんかのコーラスを活かしたCute&Popな曲が最高の出来具合です。カヴァーもU.K.らしいチョイスで、なんとボブ・マーリーの傑作「Redemption Song」の登場です。コレがまたええ出来で、神聖さも失わずゴスペルチックにナイスにカヴァーしてます。ただ他のスロウはホイットニーの出来損ないみたいなバラード「I Am Blessed」とかケツの穴が痒くなるようなのも収録。同じバラードでもBebe Winans関与の「It Will Never End」あたりは嘘臭くない感じの良好な出来です。制作陣で評価するのも3人に失礼な話ですがDebra Killings & Dallas Austinの「Secrets」や「Your Smile」は贅肉を削ぎ落とし塩コショウだけで旨みを出したようなバックトラックが3人の歌魂を開花させる素晴らしいプロデュースで快心の出来となっております。当時のダラスが大当たりさせたTLCも感じさせる毒気も感じる「Don't Make Me Wait」なんかもエエ感じ。日本盤シークレットトラックに収められてたトラデショナル・ゴスペル「Oh Happy Day」はコンテンポラリーに料理しすぎてどうなんやって感じですがまぁええですわ。
「今やワンコインで全アルバム購入可能な彼女達。真摯な歌心の価値は下がりません」
Eternal - Power of a Woman
hidekichi
Eternal