Desire / Bob Dylan * 1976 Columbia

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 ボブ・ディランっていうとかなり崇高なイメージがあって、詩の世界を理解していないとディランは分からないような風潮も一部あったりして、結構近寄り難い存在でした。家にも80年代の作品中心に兄貴がチョコチョコ買っていたのでつまみ食い程度に聴いてましたが、ポップ・ミュージック・シンガーとしてもアクの強い声に言葉を詰め込んだ独特の節回しはかなり魅力的です。個人的に好きなのはバンド・サウンドでのディランで、ザ・バンドと接近していた60~70年代や本アルバム発売時のローリング・サンダー・レヴューでのディランはかなり愛聴しました。近年の枯れた魅力も捨て難いですが、力強い歌声でディランにしてはメロディアスに感じるこのアルバムは傑作と呼ばれるに相応しい力作です。特徴的なのはアコーディオンやマンドリンの音を大きくフィーチャーした哀愁溢れるサウンドで、特にスカーレット・リヴェラのヴァイオリンはアルバムの象徴的な音色を奏でており、やけにクオリティの高い粒揃いの楽曲に華を添えてます。
 まずは何といってもヒット曲ともなった「Hurricane」です。黒人ボクサー、ルービン・カーターが殺人犯にでっち上げられたあまりにも有名な冤罪事件の歌ですが、ストーリーテラーとしてのディランが本領発揮といえるドラマティックな内容で一気に惹きつけられます。効果的なヴァイオリンも素晴らしく、アレンジの素晴らしさとディランの熱い歌唱が激光りの傑作です。続く独特の3拍子で歌われる「Isis」、エミルウ・ハリスとのデュエットで陽気に革命を皮肉った「Mozambique」、南フランスでのジプシーの祭りの影響下でつくられた旋律も新鮮な「One More Cup Of Coffee」と印象的な曲が続きます。レコードではA面最後だったスロウ「Oh, Sister」がまた最高です。語りかけるように歌う優しいディランが何とも魅力的です。72年に勢力抗争で射殺されたマフィア大物を歌った「Joey」も素晴らしきスロウ傑作で印象的なサビも絶品。後年のグレイトフル・デッドとのライブ・ヴァージョンも必聴です。その後もメキシコの町を歌った「Romance In Durano」、カントリー調が心地良い「Black Diamond Bay」と佳作が連なりますが、最後の当時の妻へのラブソング「Sara」がまた良いです。その後結局離婚しますが切々と歌い上げる様は胸を締めつけます。
「ディラン信者じゃなくても必携の名作。サウンドのセンスにも脱帽です」

テーマ: 本日のCD・レコード | ジャンル: 音楽

The Band / The Band * 1969 Capitol | Home | The Hurricane / Music From And Inspired By The Motion Picture * 2000 MCA

コメント

最近、この年になってDylanを聴く事が出来るようになりました。(笑)

周りのDylan信者がどうも、胡散臭くて。(爆)

ところがいざ聴いてみると、コレがしみるんですよ~、本当に!!

>ポップ・ミュージック・シンガーとしてもアクの強い声に言葉を詰め込んだ独特の節回しはかなり魅力的です

この言葉に尽きますね♪

2007/10/08 (Mon) 21:54 | リュウ #- | URL | 編集

★リュウさん
 この辺のディランは音楽が単純にカッコエエんですわ。詩の朗読聴くわけやないですから、やっぱ音から入っちゃうんですよね。そこで詩が良ければなお良しって感じです。でもたまにディランの詩を眺めてると、普段使わん単語あったりで難しいですわ・・

2007/10/09 (Tue) 01:16 | ezee #- | URL | 編集

ボブ・ディランに対する恐れ多い感じ、すごく分かります(^^;)。
私、まだディランの記事は未だにトライしていません(^^;)。
日本語に訳した詩集持ってたんですが、今行方不明(@@;)。
探さなきゃ(汗)!!

2007/10/16 (Tue) 01:58 | 波野井露楠 #- | URL | 編集

★波野井先生
 そうなんです。恐れ多いんです。
 下手にしょーもないこと書くと「解釈が間違ってる!」とかつっこまれそうで・・
まぁタイトルどうり戯言ってことでご勘弁をって感じですわ!

2007/10/16 (Tue) 02:55 | ezee #- | URL | 編集

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