Bobby Byrd Got Soul / Bobby Byrd * 1995 Polydor

「え~~~、ほんまかいな??」と思わず愕然としたボビー・バード氏の突然の逝去。ガンだったそうです。ご存知、ジェイムス・ブラウン御大の“合いの手”シンガーとして、デビュー当時フェイマス・フレイムス時代から70年代半ばファンク期まで傍らで御大を支え続けてきたシンガーです。御大との付き合いも古く、10代の頃に少年院で出会い、御大が持つ天性の才能に脅威を感じ自分のゴスペル・グループに引き入れたのが始まりだそう。全盛期のJ.B.傑作ファンクはコノ人の声が無いと引き締まらんとさえ思った好サポートぶりで、「Soul Power」や「Make It Funky」、「Sex Machine」(ゲロッパ!に対してゲロウラ!とくるあの声です)での存在感や、「Lost Someone」等では作者の一人としても活躍し、御大の歴史でもコノ人無くては成り立たん人でした。野太いバリトンヴォイスはJB印のファンクとの相性も格別で、上手い下手とか超越した次元のカッコええ声です。正直、この人の声が聴こえてくるだけで毛穴全開で興奮するくらい好きなシンガーでした。そんなボビーの冥福を祈って、ソロ作を最も上手にまとめあげたべスト盤の紹介です。
内容は64年~73年のボビーの激ソウルなエキスを最高の形でリマスター抽出です。「I Love You Soul」、「I'm Lonely」、「Funky Soul」等の60年代中期のアーシーなR&Bスタイルもなかなかの聴き応えですが、70年代のJB直系爆裂ファンクは悶絶必至です。「I Know You Got Soul」、「Keep On Doin' What You're Doin'」、「If You Got A Love You Better」、「Hot Pants-I'm Coming,Coming,Coming」、「Sayin' It And Doin' It Are Two Different Things」等と傑作ファンクの嵐です。他にもJBがサイドマンに徹して合いの手を加える「Never Get Enough」やディープなバラード「I'm Not To Blame」あたりもシビれまくりの名録音。またブッ飛んだのがブーツィ&キャットフィッシュ兄弟擁するオリジナルJB'sの71年未発表パリライヴ「I Need Help」。ボビーの観客との熱いコール&レスポンスも聴ける失禁モンの逸品です。同メンバーでの暴走機関車なみのド迫力のスティーヴィー・ワンダーのカヴァー「Signed,Sealed & Delivered」、サム&デイヴの名曲「When Something Is Wrong With My Baby」も見逃せません。全編、サウンドや曲調はJ.B.のスタイルと殆ど同じなので御大と併せ持って聴いても何の違和感もございません。
「相棒の登場で御大も嬉しい筈。天上界のショーで息ぴったりのファンク魂、見せたってください!」
Saying it and doing it are two different things
Keep On Doin' What Ya Doin'
hidekichi