FRONT presents diggin' from the vaults DJ JIN'S FUNKY STRUTT * 1997 Victor

日本のHip Hopも素晴らしいと教えてくれたブッダ・ブランドやライムスター、ネイキッド・アーツらの'90年代に出てきた連中。そのライムスターのDJ JINが雑誌FRONT(現在廃刊)と組んでコンパイルした激ファンク盤。古い素材や知られざる音源をクールなビートで再構築したHip Hopの面々は、ホント気持ちエエ音が何かをよ~く知ってます。MURO氏が組んだメロウ編もグレイトでしたがコチラはプ~ンと臭ってきそうなアーシーなグルーヴ満載で、レアなジャズ・ファンクから大御所ソウルマンまで実に上手いこと選曲してあります。
アルバムはThe Originals「Fantasy Interlude」からハードボイルドな雰囲気で幕開け。前半はB級の雰囲気がまたゴキゲンさんなクール&ザ・ギャング「Kool Is Back」のカヴァーを演奏するFunk,Inc.、綿密なグルーヴにテナー・サックスが炸裂する「Soulution」をかますJoe Henderson、ビートルズ・ジョージの名曲「Something」をクールなオルガン・インストに仕立て上げたCharles Kynardと黒いジャズ・ファンクが連なります。そして仁鶴ばりに“大発見や~”と叫んだのがDanny Hathaway & June Conquestの「I Thank You」。カーティス・メイフィールドのカートムでのシングル曲だそうで、ち~っとも知りませんでしたがノーザン・スタイルであのカッコよい声が決まりまくりで何回でも抜けます。また最高のパーティ・ファンクBaby Huey & The Babysitters「Mighty Mighty Children」、ぶりぶりベースも光るSweet Thunder「Everybody's Singin' Love Song」、ファルセットが渋すぎるThe Notationsのシングル曲「Superpeople」とファンク曲も大充実です。カーティス抜きでも立派に活動したThe Impressionsの傑作メロウ「Soon Or Later」、古典と言ってもよいCurtis Mayfield「Move On Up」、Leroy Hutson「Lucky Fellow」、Average White Band「Person To Person」なんかもキッチリ押さえてます。最後はブラック・ムーヴィー「Dynamite Brothers」のサントラから無茶苦茶カッコええドラムが鳴り続けるCharles Earland「Incense Of Essence」。ここでのシンバル&ハイハットワークは絶品で、途中からのオルガンもクール極まりない名演です。
「ナイスなブラック・ムーヴィーでも見たような統一感。ライムスターのビートが渋いのも納得!」
hidekichi
内容濃し!